ダグ・スティーブンス

小売再生 ―リアル店舗はメディアになる




はじめの一行

はじめに

今、経済を動かしている2つの大きな力がある。1つは、モノやサービスがありふれたものになる「コモディティ化」だ。とにかく手軽に、できるだけ安く買いたいという消費者の意向が背景にある。買い物の場としてインターネットが台頭した結果、コモデティカが大きく進んだのだ。
販売店ごとの価格を簡単に比較できるようになり、安売り競争に拍車がかかるようになった。最安値ではないとしても、アマゾンに行けばかなり安い価格で手軽にモノが手に入る。クリックするだけで、瞬く間にお目当ての品が自宅にやってくるのだから。

小売再生 ―リアル店舗はメディアになる(ダグ・スティーブンス)

小売業を営んでいる人にとっては、ぼんやりとは知覚しているであろう問題。
それがこの冒頭に表される、コモデティ化。
それが短い文章で的確に書かれていると思います。
これを読んで、その対抗策を探している人にとっては、何か答えがあるのでは?という期待を抱きながら本書を手に取るのかもしれません。

本書の内容

リアル店舗の苦境

おそらく多くのリアル小売店舗は、苦戦をしていると思います。
そうすると、店舗としては売れ筋商品だけを置きたくなる。
しかしこれが、衰退の第一歩、と本書は言います。
なぜなら、その店で買う理由が見つからないから。
どこにでも溢れている商品ならば、ネットで買えばいい。
わざわざ足を運んで買う必要などない。

たしかに、目で見て、手で触って買いたい、という人はいるかもしれません。
しかし、そうやって品物をリアル店舗で確認し、帰り道にスマホで注文する、なんていうこともあるかもしれません。
多くの場合はそのほうが安いし、重い荷物を持ち帰る必要はありません。
そして通販のネックだったはいそうですが、今となっては遅くとも翌日には到着する。
早ければ数時間後には宅配されることも・・・。

こういった合理的なサービスにリアル店舗が対抗しようとしても勝てる気がしない。
じゃあリアル店舗はどうすればいいのでしょうか。

私の感覚

例えば私はこんなブログを書いている通り、本をよく買います。
ほとんどはAmazonからの購入。
もちろんたまたまリアル店舗で買うこともありますが、うちにはたいてい数冊の積読本がありますので急がない。
本屋でぱらぱらっとめくってみて、オモシロソウならスマホで買う。
たまにはリアル店舗の存続のために、そこで買うこともありますが高くて重い本は大抵Amazon。

さて、そんな私でもリアル店舗がないと困るな、とは思っているわけです。
なぜかというと、不意打ち的にいい本と出合うのは、たいていリアル店舗だからです。
ぼんやり本屋を見て回る。
注目本なんかを見ると、やっぱりワクワクするわけです。
そして手に取ってみる。
ああ、なんだかおもしろそうだな。
そうやって、今まで買ったことのないジャンルの、買ったことのない著者の本と出合う。

私にとって本のリアル店舗には、こういう役割があるわけです。

売ることが目的でない店舗

本書でも、その感覚に近い提案をしています。
販売を目的としない店舗。
たとえば、ある雑貨店は、数週間に一度、売り場をごっそり模様替えするようです。
もうその空間が、雑誌そのものといった立て付けの様子。
だからそこで買ってもらわなくていい。
新しい商品と出会う場にする、ということではないかと思います。

実際に店舗で一日キャンプ体験ができるアウトドア用品店等の事例を見ていると、VRやARでも超えられないリアルの世界を展開しています。
まさに、商品のある世界を見せる場、としているのではないかと思います。

なかなか面白い本なので、小売りに関わる人に限らずぜひ読んでいただけると面白いのではないかと思います。

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私も契約して、どうしても参加しなければならないつまらない会議の時には、
これをiPadでぱらぱら見てます(笑)
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