ニック・トーマン

おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係




はじめの一行

日本の「おもてなし」は、単なる「おせっかい」だった?

まずは、この本を読む価値を
あなたに手間をかけることなく、シンプルにお伝えしよう。

ぱらぱらと本書をめくってみると、数ページごとに図表が目に飛び込んでくる。
総図表数61点、しかも、そのひとつひとつは、顧客9万7176人を対象とする調査の結果を凝縮したエッセンスだ。
一点一点が、一つのプレゼンテーションの題材になるほどの情報価値がある。
原書”The Effortless Experoence(努力いらずの経験)”を手にしてからというものの、私は講演会で、本書の調査結果を引用することが多い。なぜなら本書は、複雑に絡み合って動けなくなった組織をごかし、顧客が買い続ける事業へ改革するために必要な、データの宝庫だからである。また、そうしたインパクトのある情報を、原題のとおり”努力いらず”で、伝えられるからだ。

おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係(マシュー・ディクソン(著), ニック・トーマン(著), リック・デリシ(著), 神田 昌典(監修), リブ・コンサルティング(監修), 安藤 貴子(翻訳))

本書のはじめのまえがきは、監訳者である神田昌典さんが担当しているようです。
ちょっと本書の中身をひっかけた導入は、ちょっとおもしろい。
それも、中身を読むにつれ、明らかになっていくのですが。

本書の内容

感動サービスの不都合な真実

数年前から、「感動サービス」というのがなんとなくビジネス書の中では話題になっていた。
ディズニー、リッツ・カールトン、そして新しいところでは、ザッポスとか。
こういう企業は、顧客を満足させる感動サービスを日常的に繰り広げています。
そして、そのことが伝説化のように伝えられ、これこそが経営の決め手だ!と言わんばかりの風潮がありました。

確かに私も、やっぱ感動サービスこそが口コミを生み、顧客をリピートさせるよね。
そんな風に感じていた時期は確かにあります。
家でもできないかなぁ、なんて工夫したことも。

けど、一方では醒めた自分もいるわけです。
某ホテルで、ドアを出入りするたび挨拶されるのをウザいと感じたり、散髪屋で話しかけられて、ウンザリしたり。
そうそう、デパートのオープンや閉店時の、あの並んでお迎え、お見送りってやつも、ちょっと嫌です。
自動車ディーラーで、見えなくなるまでお辞儀をしている店員。
いやいや、もういいから、と思ってしまう。

本書では、感動サービスは場合によっては、顧客のロイヤリティを下げる可能性が非常に高いといいます。
それもこんな、日常的な自分の感覚は特殊ではなかったのか、とちょっとほっとする。

いいお店、リピートするか、しないか

たしかにサービスの行き届いたお店は、気持ちがいい。
その時は、ああ、ありがたいな、と思う。
居心地もいい、と感じていたかもしれない。
しかし、私はそういった店をたまらずリピートするか?というと実はそうでもない。
まあ、安全パイとしてのリストには入るでしょうが、どうしようもなくまた行きたいとは思わない。

それより、無意識にリピートするのはどういう店かというと、手間のかからない店。
待たせない、簡単、セルフサービス。
そんなところが、気楽で良かったりする。
本書にも例示されていますが、空港のチェックインカウンターでは、あえて人のいない無人機を選ぶ。
旅慣れないやつと思われたくないから、人のいるカウンターには見向きもしない(笑)

そう言えばガソリンスタンドだってそう。
別にセルフで全然オッケーなわけで、同じ値段であったとしても、店員があれこれ話しかけてくる店より、セルフがいい。

けっきょく大事なことは・・・

本書の話に戻ります。
本書が言うのは、大事なのはおもてなしではなくて、どれだけ顧客が楽に得たい結果を得られるかがポイントだ、と。
WEBサイトを見ればすべてわかるような内容が一番。
そのまんま、簡単に手続きができるのが一番。
こういうカスタマーエクスペリエンスを設計することこそが、これからの企業にとって大事なことだと主張しています。
おもてなしもいいのですが、やるなら本格的に。
そうするとコストは相当かかるから、経済合理性としてどうかというところはある。
それを踏み越える気合でやる必要がありそうです。

でなければ、顧客にとって努力を要さず得たい結果につながるような設計が必要。
その具体的方法や、マニュアル的なものまでついてきます。
本書はかなりお得にできている。
デジタル時代を意識しない人も、本書は非常に参考になるのではないかと思います。

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