小説

バッドカンパニー




はじめの一行

Ⅰレット・イット・ブリード

1

有動了慈は拳銃を突き付けられていた。
眼前の銃は、モデルガンの類ではない。銃口は深い闇をたたえている。銀ダラと思しきオートマティックだ。銀色のメッキで覆われた粗悪なトカレフを意味する。
銀ダラの持ち主は、黒い目出し帽をかぶっていた。路地から飛び出してくると、車道の真ん中に立ち、有動が運転するミニバンのゆく手を阻んだ。
「お、おい。来やがったぞ」
助手席の川崎が吠えた。
「黙ってろ」
ハンドルを握る有動は、あたりに目を走らせた。
拳銃男の乱入を皮切りに、同じく目出し帽をかぶった二人の男たちが、ぞろぞろと姿を現した。ミニバンを取り囲む。連中の手には物騒な武器が握られていた。房の付いた青竜刀と軍用ナイフだ。

バッドカンパニー(深町秋生)

冒頭、銃を突き付けられるシーンから始まる本書。
太宰治の「走れメロス」の冒頭、「メロスは激怒した」をほうふつとさせる始まりです。
ついつい次を読みたくなります。

本書の内容

まさに”バッド”カンパニー

この物語、野宮という美人社長が経営する闇の人材派遣会社の周辺で繰り広げられます。
たとえば、今どきの暴力団と言えば、暴対法などでなかなか表立った動きができない。
一方で水面下では様々な対立があるわけで。
そういったときに使われるのが、野宮の会社。
この会社には、軍隊経験のあるスタッフなどがいる。
さらには、某所には、銃器等の武器も一通りストックがある。
これらを活用して、表に出ない形でさまざまなもめ事を処理する。
その人員派遣をやっている、というわけ。

冒頭に出てくる有動は、その会社のエース。
格闘技術はかなり長けていて、暴力団員複数と対峙してもひるむことはない。
その有動と野宮が繰り広げる物語。

テロリストとさえ戦う

ということで、本書の中で出てくる仕事は様々。
窃盗団、テロリスト、暴力団。
いくつかの短編集の形をとっていて、それぞれが物語としては完結しています。
内容としては、特段の深い謎があるというわけでもない。
つまり謎解きでもなくて、イメージとしてはハリウッド的娯楽小説という感じでしょうか。

ちょっぴりほろりとするシーンもあれば、ピンチもある。
けどひとことでいえば、危ない仕事を野宮が引き受け、有動がぶつぶつ言いながらこなす。
そんな感じです。

肩ひじ張らず読めるので、軽く楽しみたい人にはちょうどいい感じです。

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