ノンフィクション

子どもの脳を傷つける親たち




はじめの一行

序章 健全な発達を阻害する脳の傷つき

こころと脳の密接な関係

「”こころ”とはどこにあるか」と尋ねられたら、みなさんはどう答えますか?
日本語では、こころが傷ついたとき「”胸”が痛む」と言ったり、こころのありようを探るさいに「”胸”に手を当てて考える」などと表現します。
英語の”heart”も「こころ」、「心臓」と訳されることがあるため、心の在りかは胸のあたりという印象が強いかもしれません。確かに、不安や恐怖を感じると心臓が激しく脈打ちますし、極度に緊張し、強いストレスを感じると、心臓がぎゅっとつかまれたようになることもあります。

子どもの脳を傷つける親たち(友田明美)

子どもに対するマルトリートメントをテーマとした本書。
じつはまえがきらしいまえがきはなく、この序章が実質的なまえがきとなります。

ないようは、専門的なものを含んでいますが、はじめの一行は柔らかくも難しい話から始まります。
こころとはどこにあるのか。
考えたことがあるようでないような質問で、読者の注目を集めているように思います。

本書の内容

心への暴力は物理的に脳を破壊する

本書のタイトルはけっこう衝撃的です。
「脳を傷つける」
このタイトルそのものがキャッチコピーとなりそうな感じです。

しかし、それは大げさな話ではなく、事実のようです。
実際に心理的な虐待(ネグレクトや、性的虐待、そのたもろもろ)を経験した子供は、脳の形が変化しているようです。
要は部分的に破壊されている状態になる、と。

本書の最も重要なテーマは、脳が破壊されるということではないと思います。
それはあくまで読ませるためのフックであり、虐待が心だけではなく、脳に残るとても大きな問題であることを示唆している一冊だと思います。

虐待と知らず虐待していることも・・・

この本を読んで感じたのは、そういえば私たちは「子育て」というものを論理的に学んだことがない。
もちろん、動物として本能に備わっている、と言われればそれまでです。
しかし、実際には、私たちは虐待と知らず、虐待にあたるような行為をやっていることも少なからずあります。

例えばいうことを聞かない子供を、締め出したりする行為。
今でも時々見かけますが、こういったことが子供の心や成長にどんな影響を及ぼすかは私たちは知らない。
とくに、昭和時代の子育ては、そういう意味ではあまりよろしくないケースも多い。

あるいは昭和の早い段階においては、自分達の家族だけではなく地域のコミュニティがあるから成立していた子育てもあるような気がします。
それを今のような完全にプライバシーで分断された社会の中では、成立しにくくなっていることもあるのではないかと思います。

私は本書を読んで、ずいぶん反省することもありました。
できれば、若い人たちに読んでほしいな、と思う一冊です。

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