目次
はじめの一行
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岩波美里がデスクの上に頬杖を突きながらため息を漏らしている。自称二十七歳の美人敏腕編集長。年齢と敏腕は眉唾だが編集長という肩書と美人は本当だ。化粧っ気がなく顔はすっぴんに近い。彼女の性格からしてナチュラル美人を自覚しているのはなく単に自分を美しく飾り立てることに興味がないだけだろう。肩までかかる黒髪も取り立てて美容師の手が入っているようには見えない。ファッションも同様だ。無地の白いブラウスに黒い細身のパンツ。地味でシンプルな女だがそこが良かったりする。
美人敏腕編集長がいきなり登場です。
読み進めるとこの人、かなりドSなんですけどね。
こういうキャラ立ちした人を前面に出すことで、人を惹きつけてるのかもしれません。
本書の内容
死神という正体不明の殺し屋
冒頭でご紹介した、岩波美里は「アーバン・レジェンド」という都市伝説を扱う雑誌の編集長。
この出版社は、このほぼこの雑誌だけでもっている、弱小出版社。
で、この雑誌の売り上げを次号、倍にせよという厳命が下る。
そこで、割と話題になっている殺し屋「死神」を追っていた契約ライター陣内の役割は大きい。
ジョーカーのカードが死神から届けられると、かならず24時間以内に死ぬ。
しかも、普通に殺されるというよりも、どう見ても事故死という死に方で、証拠が残らない。
この死神という殺し屋、正体はおろか、存在するかも怪しい。
編集長は陣内に、期間内に死神とコンタクトをとれ、と命じる。
さもなくば、アーバン・レジェンドは廃刊。
当然陣内との契約は終了となる。
なんとか自分の食い扶持をこの雑誌の原稿に依存していた陣内は、背水の陣で死神の正体に挑む・・・
というかんじです。
見えない死神の正体、手口
と言っても何の手掛かりもないので、まあ大変なんですが、ひょんなところから糸口がつかめる。
あとは、個性豊かなキャラクターの活躍で、最後には・・・
全体として読みやすく面白い。
まあどことなく、リアリティは低いとは思いますが、エンターテイメントとしては許容範囲です。
たぶん、本格ミステリーファンからすると軽い、と言われそうですがエンタメ的に見ればかなり面白いです。
私自身、結構夢中になって読んでましたから。
たしかドS刑事もこのかたの本だったと思いますが、それとどこかテイストの似た印象でした。
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たとえば、コピーライティングで、女性誌・男性誌などをぱらぱらと見たいとか、
特定の趣味の人の話題を知りたいとか、そういったときにはとても役に立ちます。
私も契約して、どうしても参加しなければならないつまらない会議の時には、
これをiPadでぱらぱら見てます(笑)
メジャーな雑誌はけっこうそろっているので、おすすめです。
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