中野明

アドラー心理学による「強み」のマネジメント―アドラーとドラッカーの共通点とは何か




はじめの一行

はじめに

20世紀が生んだ心理学の巨人アルフレッド・アドラー、そして「マネジメントのグル」と呼ばれたピーター・ドラッカー、2人には気になる共通点があります。
まず、2人ともオーストリア=ハンガリー二重帝国時代(オーストリアとハンガリーが対等関係で連合した時代で、1867年から1918年に相当)にオーストリアで生まれています。
アドラーは1870年2月7日、ウィーン近郊のルドルスハイムで生まれました。ウィーン大学で医師の資格を取ると、眼科医として働き、一般医療に従事した後自分の病院を開業しています。

アドラー心理学による「強み」のマネジメント―アドラーとドラッカーの共通点とは何か(中野明)

本書のまえがきは、このような形でアドラーとドラッカーの生い立ちの共通点を見ていく形で始まります。
アドラーとドラッカーを並べて考えるというのはあまりない視点じゃないでしょうか。
こういった着想が、本書の最大の特徴なのかもしれません。

本書の内容

その人の「強み」にフォーカスする

アドラーと言えば、数年前「嫌われる勇気」でかなり話題になった心理学者。
もともと日本では、フロイトとユングが心理学の世界では超有名人でしたが、そこに並ぶ人物としていまやアドラーの名前は世間にとどろいていると思います。
アドラーの主張は、割と自己啓発的な内容と相性がいい。
人の悩みのほとんどは人間関係からもたらされる、という前提に立って、そういった人間関係の中で自分の中心をどこに置くかを語った人だと思います。

一方、ドラッカーはマネジメントの考え方を生み出した人。
ビジネスの世界ではやはり超有名人なんですが、会社とは何か、組織とは何か、イノベーションとは何か・・・
そんなことを問い続けた人だと思います。

で、一見接点のなさそうな二人ではあるのですが、たとえば「強み」によって成功する、という考え方は二人の共通点かもしれません。
本書では、その「強み」について掘り下げていきます。

弱みを克服?

彼らの考え方は、何かをやるときは「強み」によってである、という前提に立っています。
日本の教育においては、ことさら「弱み」を補うことが重視されがちです。
何事もまずは平均点を伸ばそう、ということですね。
本書においては、どちらかと言えば弱み克服に力を入れるのではなく、強みを徹底して伸ばす、ということ。

ビジネスの戦略上も、弱みを克服して、平均的な商品やサービスつくっても、あまり売れないことが多い。
きっと、そんな優等生はつまらなかったり、何がウリなのかがわかりにくくなったりするのでしょう。
差別化の過程では、やはり強みがはっきり強みとして認識されなくてはなりません。

その方法論を本書では、さまざまな角度から明らかにしています。

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