ビジネス書

戦略読書日記<本質を抉りだす思考のセンス>




はじめの一行

まえがき

「読書の戦略」とか「戦略的な読書法」についてではない。
かといって、経営戦略についての書、いわゆる「戦略本」について解説したものでもない。本書で取り上げる中には、そういう本もいくつか含まれているが、目次を見ていただければわかる通り、一見してビジネスや戦略とは無関係に見える本も多い。
そもそも、本書は普通の意味での「書評書」ではない。書評の形式をとってはいるが、それぞれの本の内容を紹介し解説し論評することが一義的な目的ではない。

戦略読書日記<本質を抉りだす思考のセンス>(楠木健)

「〇〇でない」というものを明確にし、本書が何かを明確にしようという書き出し。
実際に、上手くジャンル分けできなさそうな本書を知るための書き出しのように思います。

本書の内容

書評というより本を触媒にしたコラム?

本書では、20冊の本が取り上げられています。
本書の中では、そのざっくりした内容が紹介していますが、その本を論じているという印象ではありません。
どちらかと言えば、そういった本を題材に、飲みながら著者である楠木さんと語り合っているかのような内容です。

紹介される本の枝葉の部分と言うより、その奥に通る芯のような部分を引っ張り出してきて楠木流に紹介してるとでも言いましょうか。
もちろんその中で、著者の意見が多分に入ります。

あるいみ雑然とした中身なんですが、なんとなく氏のヒット書「ストーリーとしての競争戦略」を補完するかの内容のようにも見えます。
じつは、この本を読んで、あああの本ではこういうことが言いたかったのかな、と腹落ちする部分もいくつかありました。

学者ではあるけど学者チックではない

著者の楠木さんは、競争戦略を専門とする経営学者です。
だからと言って小難しい理論をかざしているかと言えば、そんなことはありません。
逆に、学者の書いた本には思えないくらい砕けてます。

そもそも氏のスタンスは、競争戦略というのは小さなパーツで成り立っているというより、それをつなげた流れ(つまりストーリー)が完成して初めてその効力を発揮し、持続的な成長をもたらす、と考えているようです。
私はその意見に賛成です。
だから、物まねはあまり進めない。
本書においても、戦略の軸に関する部分は語っても、枝葉の「なにをやるか」はあまり重視していないように感じられました。

砕けた文章だからこそ、楠木イズムが理解しやすい一冊かもしれません。

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