小説

イリュージョン 最終版




はじめの1行

1

警察学校を出ると、男の場合は交通勤務だが、女はたいてい交通課の配属になる。わりと安全な仕事とみなされているからだろう。実際、制服勤務であっても拳銃の所持すらない。
二十三歳になる谷川奈緒は、四年間の交通課勤務を経て、署内の生活安全課に異動になった。新宿署の二階に相談窓口が新設され、若い女性警察官が何人か集められた、そのうちの一人だった。DVやストーカーがらみの訴えに耳を傾け、適切な助言を行うのが職務になる。

イリュージョン 最終版(松岡圭祐)

比較的地味に始まる本書。
特に始まり方に関するコメントは見当たりません・・・。

本書の内容

「最終版」の理由

実は本書を書店で見つけたとき、買うか買うまいか迷いました。
なぜなら、「最終版」とあったからです。
こうなるとついつい、何かの続編のような印象を抱いてしまい、じゃあ、はじめから読みたいじゃないですか。
しかし、安心したのは、これは松岡圭祐さんの作品によくある「最終バージョン」という意味合いのようです。

松岡圭祐さんの作品を読まれる方はご存知だと思いますが、同じストーリーが何度も手直しをされてバージョンアップしてるものがあるんですね。
まあ、コアなファンであれば、どのバージョンも見ておきたい、という思いもあるでしょう。
しかし私は、最終版ということは、著者としての完成形である、ということでこれを読めば安心かな、と勝手に思っています。

はい、この本は最終版とありますが、この一冊で内容は完結しています。
ただし、松岡さんの作品にありがちな「同じキャラクターが別の作品にも出てくる」という手塚治虫先生のスターシステム的な要素を持つ可能性があります。
ここにもありました。

クラシックシリーズ6 千里眼 マジシャンの少女 完全版で大活躍した少女マジシャン、里美沙希ちゃんが本書でも出てきます。

主人公は家出少年

この本の主人公は、中学自分に自宅を飛び出した家出少年です。
複雑な家庭環境の中で、ふっと家を飛び出してしまった少年。
彼の趣味はマジック。

中学生ながら、年を偽り、そのマジックの知識を活かして一人で生活をしていきます。
そもそも、年を偽る時点で、マジシャンチックですが、なんとかそれをやりこなしてしまうんですね。
普通では考えつかない方法で、中学生が社会の中に溶け込んでいく姿が本書には見えます。

里美沙希は、さすがに千里眼でのような武装集団との対決といった派手な活躍はないものの、いい味を出してくれています。

物語全体としては、動的な要素が少ないのですが、主人公の少年のちょっと大人びた心理描写、沙希と主人公のやり取りなどにはいぶし銀的な味わいがあります。
子どもなのにね・・・。

Amazonでのご購入はこちら

楽天でのご購入はこちら  イリュージョン 最終版 (角川文庫) [ 松岡 圭祐 ]

  【PR】———————————–
月々たった380円で雑誌が読み放題。
たとえば、コピーライティングで、女性誌・男性誌などをぱらぱらと見たいとか、
特定の趣味の人の話題を知りたいとか、そういったときにはとても役に立ちます。
私も契約して、どうしても参加しなければならないつまらない会議の時には、
これをiPadでぱらぱら見てます(笑)
メジャーな雑誌はけっこうそろっているので、おすすめです。




——————————————




ピックアップ記事

  1. 脳は「ものの見方」で進化する
  2. 残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する
  3. はじめに
  4. 成長マインドセット
  5. ある犬のおはなし

関連記事

  1. 小説

    水鏡推理Ⅱ インパクトファクター

    はじめの一行1志賀雄介は、デスクの上の鏡に映る…

  2. 小説

    ジェノサイド

    はじめの一行何気ない日常この小説は、まあ普通の…

  3. 奥田英朗

    ガール

    はじめの一行短編集この本は、30歳代くらいの女性に…

  4. 小説

    RED

    はじめの一行不穏な物語の予感・・・主人公は、”一見”幸せな…

  5. 小説

    クラシックシリーズ8 ヘーメラーの千里眼 完全版 下

    はじめの一行戦火昼と夜とではまるで別世界だ、美…

  6. 小説

    万能鑑定士Qの事件簿III

    はじめの一行ボイスチェンジャー店内BGMに優先…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。







  1. ビジネス書

    親の会社を継ぐ技術~後継者のゆく手をはばむ5つの顔を持つ龍とのつきあい方~
  2. 小説

    青い春を数えて
  3. 小説

    水鏡推理
  4. 今谷鉄柱

    マンガでわかる 仕事もプライベートもうまくいく 感情のしくみ
  5. 小説

    スマホを落としただけなのに
PAGE TOP