大石圭

女奴隷は夢を見ない




はじめの1行

プロローグ

その朝も少女は、狭くて湿ったベッドの上で目を覚ました。
朝?
いや……朝が来たと、はっきりとわかったわけではない。ただ、鳥たちの鳴く甲高い声が漏れ入ってきたから、また朝が来たと思ったのだ。
ここには朝の光は差し込まない。窓はどれも塞がれていて、さらにその上に大きな鏡が張り付けられている。だから、朝日どころか、昼の光も、月の明かりも差し込まない。そう聞いている。

女奴隷は夢を見ない(大石圭)

初めの一行にある描写は、物語の中で重要な位置を占める登場人物の描写から。
タイトルと相まって、独特の絶望感を感じさせる始まりのように感じました。

本書の内容

エロ小説的シチュエーション

本書はタイトルから想像する通り、女奴隷のお話。
奴隷市場(舞台は日本!)において売られていく女奴隷を描いています。
その奴隷は多くの場合、家族などから売られていき、ブローカーがそれを捌く。
市場でオークションが開かれ、どこかの富豪に買われていく。
まあ、良くあるエロ小説やAV的なシチュエーションそのものです。

だからといって、性的な描写は決して多くはありません。
生々しいその手の描写はごくわずか。
つまり、ポルノ小説ではありません。
じゃあ何かといえば、著者が感じている人生観に似たものをこの「女奴隷」の運命から表現しているようです。

Amazonでの評価は・・・

初めに読んだとき、個人的には少し残念な内容だと感じました。
話としてはグイグイと引き付けられるものがあるのですが、結末が思った方向にはいかない。
かといって、予想を裏切られた爽快感もない。
Amazonでの評価は正直酷評と言えるものばかりです。
でもって、読み進めると、著者によるあとがきがありました。

そのあとがきを読んだとき、そういうことなのか・・・と妙につながった気がしました。
ある意味、人の生き方を考えさせる物語と感じたのです。
それを感じ取るのに重要な登場人物が、冒頭に出てくる少女。

この少女の生きざまを見て、自分はどう生きていこうか。
そんな事を考えさせられる一冊だと感じました。

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