小説

万能鑑定士Qの事件簿IX




はじめの一行

忘れ物

今年六十二歳になるコヴェントリー生まれのイギリス人、ケネス・アリンガムにとって、日本の新幹線の乗り心地は快適だった。
静かで揺れもほとんどないグリーン車のシートに身を預け、オレンジがかった空を眺めていると、ふと眠気に襲われる。一日の仕事を終えた今となっては寝てしまいたくもなる。しかし、そうはいかない。東京駅を出発したのぞみ五三号、乗っていられるのはわずかニ十分たらずだ。新横浜駅に到着次第降りねばならない。

万能鑑定士Qの事件簿IX (松岡圭祐)

このシーン、この本を一冊読み終えて戻ってきたとき、「え?何の話だっけ?」となる書き出しです。
もちろん、中盤でこの話にでてくる本人が重要な役割を果たしたりもするのですが、本書に限らず松岡さんの作品は、結構いろんな話が同時進行で進むので密度が高い。
改めてそんなことを振り返らせてくる書き出し。

本書の内容

映画化された一作

本書は綾瀬はるか主演で映画化された作品だと思います。(映画は見てないのですが・・・)
主人公莉子のイメージは、綾瀬はるかとは少し違うような気もしますが・・・(笑)

まさにダヴィンチのモナリザといえば、そのモチーフだけでちょっとしたハクがつくのか、数あるシリーズの中でも本作が選ばれたようです。
それもそのはずで物語は、壮大。
というか、一作ごとに壮大になっている・・・と思いきや、一作目は一作目で日本のピンチだったので、規模感はどれも小さくはなかったですね。

本作は、ひょんなキッカケで、モナリザが来日する際の「ルーブル臨時学芸員」の候補となった莉子。
この莉子が、これまでの中でも最大のピンチに追い込まれるお話です。

あらすじ

ざっくりしたあらすじをご紹介すると、前述のとおりモナリザが日本で展示されることが決まりました。
そしてその際の、モナリザのお世話(?)に関わる日本側のスタッフ(臨時学芸員)が募られました。
集められた人たちは、ある期間にルーブルにあるモナリザを見た人の中で「違和感」を感じた人ばかり。

その違和感は実は、その期間に展示されていたモナリザは贋作だったから。
科学的な鑑定でもなかなかあばくことのできない贋作を、しかも「本物であるはず」という先入観を持つべきルーブルの展示品に疑いを持った直感を買ったわけです。
知識や科学的な鑑定眼は訓練で手に入れることができますが、この直感というのは一朝一夕では身につくものではない。
まさにそのセンス、感性を評価しての臨時学芸員候補に莉子が残った。

最終二人に絞られた臨時学芸員は、その後、一定期間の研修ののち実務につくことになる。
しかしその時、莉子の鑑定眼に異変が起こる・・・
といった感じです。

今回もガッツリ楽しめる本作、けっこうおすすめです。

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