佐藤青南

オイディプスの檻 犯罪心理分析班




はじめの一行

プロローグ

「ただいま」
扉を閉めて鍵をかけると、僕は廊下を小走りに進んだ。
走ってきたせいで息が弾み、全身が熱を持っている。
気持ち悪い。
だがおかげで、左手に下げたレジ袋の中のアイスバーは無事だった。たぶんママも喜んでくれる。これなら僕を叩くこともないだろう。
部屋の扉をノックし、ノブをひねった。
ベッドに寝そべっていたママが、ゆっくりと身体を起こす。

オイディプスの檻 犯罪心理分析班(佐藤青南)

一見ある日常のワンシーンに見えますが、「僕を叩く」というくだりで少しばかり引っかかる。
いったいどんなシーンなんだろう?
そんな想像力を掻き立てる始まりじゃないかと思います。

本書の内容

新米刑事の八木小春と怪しい人たち

これから続くであろうシリーズもの、という感じの本です。
主人公は、若い新米刑事の八木小春。
そしてそれを取り巻くメンツがなかなかに個性的。
卓越した能力を持つプロファイラー土岐田と、彼が集めたスタッフはどこかおかしい。

そもそも土岐田とは意思疎通がどうもうまくいかない。
それはなぜかというと、彼が発達障害だから。
そして土岐田が集めたメンバーもまた、なにか普通ではない感じがする。

この特殊なメンツの中で翻弄されながらも、次第に彼らを理解し始める小春。
そんな中で、一見シンプルに見える事件を彼らが担当することになる。
しかし、その真相は、思った以上に深かった。

ざっくりいうとそんな話です。

個性豊かな登場人物

たぶん、小説、それもシリーズものの小説の中においては、魅力的なキャラクターがけっこう出てきます。
本作もその定石を踏んでいて、出てくるキャラクターは個性豊か。
あまり多くを語るのもどうかと思いますが、そんな彼らと「普通の人」である小春の距離感が近づいたり離れたり、という様子にはドキドキはらはら。
たぶん、物語そのものももちろん大事ですが、そういったキャラクターの生き生きとした動きと、彼らの人間関係につい引き込まれてしまうことが多いんだろうな、と思います。

本作もご多分に漏れず、彼らの距離感というのはとても目が離せない様子があります。
次回作では彼らの関係性はどうなるのか。
そんな思いで、次、また次、と手にとってしまうのでしょうね。

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