七尾与史

ドS刑事 桃栗三年柿八年殺人事件




はじめの一行

二〇一三年三月〇日---代官山脩介

代官山脩介はハンカチを口元に当てて、できる限り呼吸を抑えながら床に転がる「男女」の死体を眺めた。
小岩駅から歩いて十分ほど、新中川沿いにあるトランクルーム。時計を見ると夜の十時半をまわっている。ちらつく粉雪の感覚が肌を撫でた。

ドS刑事 桃栗三年柿八年殺人事件(七尾与史)

いきなり死体発見です。
このあともう少し読み進めると、あえて「男女」と鍵カッコつきだった理由が判明します。
衝撃です。

そんなシーンから始めるところ、やっぱり読者の心をつかむ能力には長けてるんでしょうね。

本書の内容

ショッキングな殺人事件はいとも簡単に解決?

本書前半に出てくるのはとんでもない話です。
(以下、ネタバレを含んでるかもしれないので読み進められる方はお含みおきください)

 

この冒頭に出てくる死体、あえて「男女」とされているのは、男と女がつながれているから。
こう書くとエッチな姿を創造したかもしれませんが、そんな生易しいものではありません。
死体を盾に真っ二つにして、その片側と反対側を、男女の死体を合わせて縫い付けたと言います。

さすがドS刑事。
出てくる犯人のやることが大胆すぎます。

私はそんなにサスペンスものはたくさん読んだわけではありませんが、こういう死体の発見は初めてじゃないかと思います。
でもって、この死体にあのマヤ刑事は感動するわけです。

ご存知ない方のために少しお話しすると、ここにでてくるドS刑事こと、黒木マヤは死体を見るのが好きで警察官になった美女。
ウチには、死体現場から持ち去った遺留品などがコレクションされています。(もちろんやってはいけないことです)
まあそんなアウトローというか、ちょっと常軌を逸した美女が主人公なわけです。

しかしこの事件、あえなく片付いてしまいます。
この話はあくまでプロローグでしかなかったわけです。

マヤの父の新人時代

その事件を片付けて向かったのは、仲間の慰安旅行。
何もない田舎町に到着した途端、一行は事件の知らせを耳にします。
実はその地は、過去から連綿と続く連続殺人の起こる場所。
かつての事件には、マヤの父が新人時代、刑事として事件解決に当たったという因縁の事件。
そしてその事件は解決したにもかかわらず、マヤたちが到着した途端、また連続殺人事件が起こり始めたのです。

そして本書の最大のストーリーはそこから始まります。
過去に終止符を打ったはずの連続殺人事件がまた息を吹き返して戻ってきた。
そこにマヤたちはどう対処するのか。

ここではいつも、異常なほどにクールなマヤが感情をかなり揺さぶられます。
それがなぜかは今ひとつわかりませんでしたが、マヤがキャラチェンジしてるのです。
これはもしかしたら次回への複線でしょうか。
ちょっと気になります。

そんなターニングポイントとしての作品になりそうな本書。
良かったら見てみてください。

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