内藤了

ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子




はじめの一行

プロローグ

その日のことを思いだすと、今でさえ、彼は声を上げて泣きたくなる。取り返しのつかない失敗をした子供のように、髪をかきむしり、地団太を踏んで叫びそうになる。なぜあんな惨いことができたのだろうと、どんなに怖くて痛くてつらかったろうと、事件の惨状に心が乱れ、悪魔の所業を止めることのできなかった自分を悔やむ。

ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子(内藤了)

このいきなりやってくるモノローグ的なシーン。
ここでいう彼とは誰だろう。
そんな疑問を頭の中に植え付ける一行目になっていますね。

本書の内容

ホラー?

もともとこの本は、本屋さんで買ったのでジャンルとかあまり気にしてなかったのですが、Amazonでみるとホラーとか。
正直読んでいて、猟奇殺人のグロい表現はあったものの、ホラーという要素はあるようなないような。
あのレクター博士の軽い版?
いえいえ、ちょっとそういうテイストでもない。

なんにしても、ホラーという期待値は外してみたほうがいいんじゃないかと思います。

で、本書。
これ、どうやら映像化されているみたいですね。

流れとしては、かなり痛々しい殺人事件が起こります。
その担当になった、若い女刑事藤堂比奈子。
彼女はいつも、ポケットに故郷名産の七味の缶を忍ばせており、気付け薬のように時々手にとって舐める。
なかなか個性的なキャラですね。
だいたいこういうところに出てくる女捜査官は、とんでもない美人なのですが、比奈子はそういう感じでもなさそうです。

事件か?自殺か?

さて、本書の内容はちょっとかわった自死事件がテーマです。
分析からすると間違いなく自死なのに、人間の特性からしてあり得ない死に方。
他殺の所見が現場にあるわけではないのに、他殺も疑わざるを得ない状況。

それは、かつてその人間が、人を殺めたときと同じ方法で自殺しているというのです。
まるで、何かにとりつかれたかのように。

主人公比奈子はそんな現場に居合わせるわけですが、この不可解な事件の意図を少しずつ解きほぐしていく作業が、本書のだいご味。

純粋なエンターテイメント小説だと思いますが、わりとグイグイ惹きつける内容と、読みやすい文体で、気が付けば読破していたという感じ。
ちょっとグロいシーンが苦手な方にはお勧めしませんが、サスペンスとしては、読んでいて面白い本だと思います。

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