ロバート・A・ハインライン

宇宙の戦士




はじめの一行

唐突に始まる物語

今まで紹介した日本の小説のほとんどが、初めの一行で主人公の名前を明らかにしています。
しかし、この小説は、「おれ」の名前が初めて出てくるのは4ページ目。
これが何かしらの意味があるのかどうかはわかりませんが、ちょっとした特徴かもしれません。

おれはいつだって降下の前になると、あの震えがやってくる。もちろん注射も予防催眠もうけてはいるが、そうかといって本当におれが恐怖をおぼえなくてすむというわけではない。艦に乗っている精神病医は、おれが眠っている間に脳波をしらべ、馬鹿げた質問をし、そのあとで、それは恐怖でもなんでもない、ただ、はやりたった競馬馬が出走の前に震えているみたいなもんだという。

宇宙の戦士(ロバート・A・ハインライン)

もうすこし読み進めるとわかるのですが、これは主人公が戦闘前に持つ心境。
いきなり線上に赴く主人公の状態からの描写です。

「おれ」の物語の中心

この物語の主人公である、「おれ」については、実は学生時代から描かれています。どちらかと言えば硬派とはいがたい「おれ」がいっぱしの男に成長する物語。
タイトルから想像できるように、舞台は未来(といっても執筆当時から言う未来で、今から見ると過去ではあるのですが)の宇宙。
おれたちは、宇宙の敵と戦っているのです。
この時点で、荒唐無稽なSFのイメージが付きまといますが、読んでいくと割とリアリティのありそうな内容です。

本書の内容

宇宙の戦場を舞台にした成長ドラマ

舞台設定は先程も書いたとおり、宇宙の戦場です。
機動歩兵部隊という、まあいってみればモビルスーツみたいなものに身を包み、宇宙の敵と戦うわけです。
その戦争の在り方云々というはなしではなく、そういった舞台に入隊し、戦場で少しずつ大人の階段(?)を上っていく主人公の成功物語。

実は、この原作はハリウッドで映画化されています。
タイトルは、
スターシップトゥルーパーズ

映画も見ましたが、似て非ざるもの・・・
というより、にてさえもいません(笑)
もう全くの別物。

小説では割と人にフォーカスが当てられていますが、映画はどちらかと言えばドンパチが中心。
良くも悪くもハリウッド的なのですが、ありがちなアメコミ的な描かれ方がされていました。

ただ、本書は結構深い内容で、内容はなかなか素晴らしいものだと思います。
映画を見て楽しんだ人も、がっかりした人も、この古典的SF小説、手に取ってみてはいかがでしょうか。

本書のご購入はこちら。(翻訳が新訳となっているので、私の読んだものとは異なっています。)




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