佐藤青南

ストレンジ・シチュエーション 行動心理捜査官・楯岡絵麻




はじめの一行

登場人物

日本の小説の多くのパターンと同様、本書では、主要な登場人物が早い段階で出てきます。
このシーンから少し続くやり取りで、重要な役割を担う宮出のキャラがぼんやりと見えるような仕立てになっています。

警視庁本駒込署の玄関をくぐったところで、宮出耕史朗は背後から肩を叩かれた。
振り向くと、犬塚が怪訝そうな顔でのぞき込んでくる。宮出と同じ派出所に勤務する、先輩警察官だった。
「あ……犬塚さん。おはようございます」
「宮出。おまえ、大丈夫か」
犬塚は肉に埋もれた小さな目を鋭く細めた。自転車泥棒を問い詰める際の職務質問で、良く見せる表情だった。

ストレンジ・シチュエーション 行動心理捜査官・楯岡絵麻(佐藤青南)

ちょっとした工夫は、タイトルにある主人公である楯岡恵麻なる人物が出てくるのは少し先。
ちょっぴりじらしているのかもしれません。

本書の内容

個性的なスキルを持つ主人公

この本は、いくつかのシリーズになっているようです。
非常に個性的なスキルを持つ、美人主人公楯岡恵麻は、そのスキルでサクサクと事件を解決していきます。
読者や登場人物の多くが犯人の関連性が見えない中、エンマ様と呼ばれる主人公は、犯人を知っていたりします。

そのエンマ様がもつスキルというのが、行動心理学によるプロファイリング。
取調べ相手がいかに嘘をつこうとも、すべて見抜いてしまいます。
それは微細なウソの兆候を読み取ってしまうから。
事件解決の重要なスキルとして毎回発動しています。

幾つもの犯罪が絡み合うストーリー

本書に関していえば、行動心理学を使いこなす美人捜査官楯岡恵麻を中心に、キャバクラ通いの相棒。
昔ながらの刑事のニオイをぷんぷんさせる人など、ちょっとコミカルではあるけどそれなりにいそうでいない登場人物が出てきます。
やはり小説のキーはこういった登場人物の個性をどこまで描けるかが、読者が感情移入できるかの決め手だな、と思います。

本書に関していえば、こういったキャラクターの感情が今一つ見えにくい部分があります。
読んでいくと、話としては面白いのですが、今一つ感情移入できないところがあった(あくまで私の主観です)のが残念なところ。

ライトノベルというのでしょうか。
微妙な軽さを感じたところはあります。

また、そこそこフリガナが打ってある文字が多かったので、想定されている対象は少しわかめの世代かもしれません。
一方で、ちょっとセクシーな表紙、美人捜査官と言えば、私のようなおじさんがついてを伸ばしてしまうのですが・・・笑

物語自体は面白いので、軽く読書を楽しみたい人には最適な一冊ではないでしょうか。

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