目次
はじめの一行
はじめにーーー学び方の革命
「A君、最近よく手が挙がるんだよ!他の授業でも!」
二〇一三年の秋、ある小学校の放課後の教室で、一人の自動がクラスメートのA君(当時一年生)について、そんな報告をしてくれました。
私が学芸員を務める愛媛県美術館が同校で行った、全十回の「出前授業」。みんなで美術作品を見て、それぞれ気付いたことや考えたことを話し、お互いの意見を聞きあうという、ちょっと変わった授業です。
ビフォーアフターというか、本書で紹介する学習効果を一番に持ってくるというのは、一つの基本パターンですね。
実際、この文章でぐっと引き込まれました。
本書の内容
教えることが正しいことではない
本書の言う「教えない授業」というのは比較的シンプルです。
絵画などを子どもたちに見てもらい、感想というか気付いたことを言ってもらいます。
さらに、「それはどこからそう思うか?」という質問を重ねることで、子どもたちの思考を促します。
この質問が非常に重要なようで、「なぜそう思うか?」ではダメなんだそうです。
そうすると、話が抽象的になってそれ以上深まりにくい。
一方で、「どこからそう思うか?」と聞くことで、絵の具体的な一部を指し示すことでいろんな情報が共有できます。
そして、人の意見を耳にした子供が、気づき、さらに新しい発見を行います。
もちろん、子どもたちが臆せず意見するにも、そういった場づくりができているからです。
たとえば、こういった授業では、正解も誤りもありません。
だから何を言ってもいい。
さらに、ファシリテーションを行う先生は、誰もが平等に発言できるような配慮をします。
これってまさに、最近ビジネスの世界で注目されている、心理的安全性ですね。
子どもの教育だけではない
私達は、絵画というと、まずはその説明書きを目にし、そういった先入観を持って絵画を見る傾向があります。
しかしそれよりも大事なのは、自分の眼で見て、何を感じたかじゃないでしょうか。
そして今、日本人のそういった感性というか、自発的な発想が弱いという事が問題視されています。
正解のある回答はそこそこデキるかもしれませんが、正解のないことを考えるのが苦手。
これは、そもそもそういったことを考えるトレーニングを積んでいないから、という事が言えるのかもしれません。
生徒に考えることを促し、それを発表するという習慣をつける授業法。
これはたぶん、ビジネスにも応用が利くんじゃないかと思います。
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たとえば、コピーライティングで、女性誌・男性誌などをぱらぱらと見たいとか、
特定の趣味の人の話題を知りたいとか、そういったときにはとても役に立ちます。
私も契約して、どうしても参加しなければならないつまらない会議の時には、
これをiPadでぱらぱら見てます(笑)
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