ドナ・ヒックス

Dignity




はじめの一行

まえがき

「尊厳(ディグニティ)」をテーマにした本を書こうと思った時、その本はきっと、国際情勢における尊厳の役割を記したものになるとばかり思っていました。後々その予想は裏切られることになったのですが、ここではまず、私が尊厳というコンセプトを掲げるに至った経緯を共有していきたいと思います。

Deignity(ドナ・ヒックス)

この本誕生の背景型の前書きですね。

まじめな本には多い前書きだと思います。

本書の内容

尊厳(ディグニティ)の10のエレメント

本書は、個人間の関係性から国家間の意見の食い違いまで、何かしらの関係性の問題を解決したいと考えたとき、なにより尊厳(ディグニティ)を大事にする、というのが一つの結論だとして扱っているように思います。もちろん双方主張があるので、意見を統一することは難しいかもしれませんが、お互いの尊厳を保つことで心は通い合える。それこそが紛争解決の入り口だといっているように思います。

では、その尊厳(ディグニティ)を構成するのは何でしょうか。
そのエレメントを本書では、以下のようにまとめています。

①アイデンティティを受け入れる
②仲間に迎え入れる
③安心できる場を作る
④存在を認める
⑤価値を認める
⑥公正に扱う
⑦善意に解釈する(疑わしきは罰せず)
⑧理解しようと努める
⑨自立を後押しする
⑩言動に責任を持つ

他者の尊厳(ディグニティ)を侵害してしまう原因となる10の心理的誘惑

前述の通り、他者に対する尊厳(ディグニティ)が保たれていれば、原則として世界は平和なのかもしれません。しかし現実はそうとは言えません。それではなぜ、調和が乱されるのでしょうか。実はそれは、他者の尊厳(ディグニティ)を侵害する心理的誘惑があるからなのです。それは以下の通り。

①されたことをやりかえす
②面目にこだわり。虚偽や隠蔽に走る
③自分の過失を認めず責任から逃れる
④他者からの承認という偽りの尊厳(ディグニティ)を求める
⑤偽りの関係性の中に安心を求める
⑥衝突や対立を避ける
⑦自分を被害者とみなす
⑧人からの意見に抵抗し自分を守る
⑨罪の責任から逃れるために他者を責め侮辱する
⑩偽りの親交や品位を落とすようなゴシップに加わる

未熟さを隠す行為?

こうやって、本書のポイントを挙げていくと何となく見えてくるのは、人や組織は自分の弱さを隠し、目の当たりに見ることを拒絶することで、他者の尊厳(ディグニティ)を毀損するように感じます。もう少しシンプルな言葉でいうと、自分が傷つかないために、相手を傷つけて自分の立場を確保しようとするわけです。これ、いわゆるマウンティングというやつですね。それが個人間の関係性はおろか、国家間でも行われている、ということです。

本書の中では例えば、持っている意見は違えど相手の尊厳(ディグニティ)を保つことで和解に至った事例がたくさん乗せられています。近年、SNSの発達などでいわゆる炎上などを見ていると、他者の尊厳を奪うことで自分のバランスを保とうとしている人が結構いるように思います。また、現在(2020年4月)のコロナ禍において、次々と出される国の方針や対策に、ただただ反対を唱える人も多いのですが、意見を持つことはよいと思いますが、それをどういう形で発信していくか、という方法には工夫の余地がるような気がしてなりません。

現代の人たちが、他者を尊厳する社会であればもっと住みやすくなるかもしれません。
しかしそのためにまずすべきことは、自分で自分の尊厳を認めることのような気がしてなりません。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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