天外伺朗

ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー




はじめの一行

まえがき

本書に興味を持ち、手に取ったあなたは、きっと意識がある程度開きかけていると思われます。
きゅおそう社会に少し疲れ…社会的名声や富を求めてしゃにむに働くことに疑問を感じ始めている……。あるいは、経済合理性ばかりを追いかける今の資本主義経済の在り方に、ちょっぴり違和感を覚えている……、もっと人間として本質的な宇宙の摂理にぴったりの生き方があるのではないか……。

ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー(由佐美加子、天外伺朗)

この読者に語り掛けるパターン、内容にはまると「あれ、俺の事じゃん」と手に取らずにはおれなくなるパターンです。
この本はAmazonで買いましたが、書店で見つけてもたぶん買ってるんでしょうね・・・

本書の内容

ワークショップの記録

本書の大部分は、著者である由佐美加子さんを中心とするワークショップの内容で構成されています。参加者の何人かが順番で、ワークショップを受ける感じというのでしょうか。そこで、一人一人の心の中に詰まったものだったり、その人がおかれている精神的な状況だった李をかなり生々しく垣間見られる内容となっています。

たとえば、ある方に関して言えば、自分を変えたくてこのワークショップに参加したといいます。しかし、実際には由佐さんからの質問に対し、正面からとらえないというか、するっと逃げようとしているのが第三者としてみているとよくわかります。由佐さんいわく、「傷つくのを恐れている」ということなのですが、そういった攻防を自分に当てはめて読み進めていくと、結構勉強になることがあります。

本書の主張は、人の心の中にあるメンタルモデルを分類すると4つの形態がある、といいます。
Ⓐ「価値なし」モデル(私には価値がない)
Ⓑ「愛なし」モデル(私は愛されない)
©「ひとりぼっち」モデル(私はしょせん独りぼっちだ)
Ⓓ「欠損・欠格」モデル(私には何かが足りない・欠けている)

こういったモデルにおいて、人はその痛みから目をそらそうという行動を自然ととるようになります。それが不都合の起きる原因だったりするのですが、これを例えば「価値なし」モデルであれば価値を作り上げようとして外の世界と戦おうとします。
しかし実際は、内面に起こっていることへの対処をすることなく、そとがわをかえようとしてもうまくいくものではない、といいます。まずは自分の傾向を知り、その自分をしっかりと統合していくことがスタートだといいます。

たとえば、自分に価値がないとか、自分は愛されていないとか。独りぼっちとか、何かが欠けてるとか、という思いに向き合うのは非常に苦しいことです。苦しいのみならず、怖いことなのでそこに目を向けようとしないことも多い。はじめにご紹介した方の事例においてはまさにそんな感じで、自分の弱い部分を見つめることを避けるために、周囲の問題として頑強な思い込みを作り出しています。

人の意識の成長

本書では、人の意識がどのような過程をたどって成長するかも明らかにしています。

1.適合期
この世に生を受け、この世界に適合していく時期。もともと人はある理想を持って生まれてきます。それはたとえば「自分は何かしらの成果を見せなくとも価値のある存在である」ということだったり、「愛こそすべてで、今のままで愛されている」ということだったり、「人と常につながっている」ということだったり、「ありのままで受け入れられる」ということだったりすること。
しかし、現実世界においては、子供のころにその理想が現実とは違うことを思い知らされてしまうことになります。本書の著者由佐さんの事例だと、自分が小さいころ妹が生まれるにあたって母親が入院せざるを得なくなったそうです。その結果祖父母の家に預けられたのですが、自分の下にいない母親、祖父母は優しくしてくれるものの朝起きたときに祖母は布団にいなかったこと(朝ごはんの支度で先に起きていた)を見て、自分は結局独りぼっちなんだと感じた経験を離されています。もちろん、親や祖父母は悪気は全くないし、ある意味この子供の主張は理不尽でもあるのですが、あるべきものがないと知った子供は大人が考える以上に底に強いショックを受けるようです。そして、結局は、どうせ自分は独りぼっちという思い込みを作り出し、その後の行動の規範は独りぼっちの痛みを回避したりするような行動パターンで動くようになります。

こういった痛みから逃げたり、痛みを見ないようにするパターンで生きていると、いずれ不都合が出てきて、その不都合はだんだんと大きくなってくるといいます。そのきっかけを得るまでは、多くの人はこの適合期にいて、痛みから逃れるという基準で無意識な行動を行う、といいます。

2.直面期
適合期のような、危険回避行動を続けていると、その内面を反映して外側(つまり現実世界)において、不本意な状況を招くことになります。その不本意な状況が許容範囲を超え、限界に近づいた時、その根拠は自分の内面にあるのではないか、という現実に直面することがあり、そのタイミングを言うようです。

3.自己統合期
自分の外側ばかりに向かっていた意識が、直面期をとおして自分の内面に向かい始めます。自分の命の源とつながり始める状況。

4.体現期
気づきが繰り返されることで、内的統合が進む時期。今まで外側に求めていた、愛やつながりは自分の内面にあることを悟り始めます。そのように内面が満たされると、だんだんとそれは自分の外側に影響を及ぼし始める。周囲の人から見ても、それがあることが感じられる状況になっていきます。

5.自己表現期
生まれ持った自分の理想は何だったのかに気づき、自分のミッションに目覚める時期

本書の目的

さて、本書の目的はどこにあるかというと、まずこの本を手に取った人は、おそらく適合期から直面期や自己統合期に向かっている人が多い、という想定に立っているのではないかと思います。そういった人たちの気付きを促し、最終的には自己統合していく過程を作り出すことを目的としていると思います。最後に少しですが、天外さんが実際にいろんな人たちとの実験でこれを瞑想という形で統合へ導く方法を紹介しています。実際に効果が検証されたものとのことですから、一度試してみられるといいかもしれません。(私も試し中w)

ご参考 メンタルモデルの特徴

最後に、本書にまとめてあった、4つのメンタルモデルの特徴をご案内します。
さすがに全部は引用しませんが、象徴的だなと個人的に感じたものだけを上げてみると、皆さんも「あ、自分はこれかも」と思われるかもしれません。もし、そんな引っ掛かりがあれば、本書を手に取っていただけると、いろいろ参考になるのではないかと思います。

A.価値なしモデル

●痛み・繰り返される不本意な現実
(こんなにやっても)「やっぱり自分には価値がない」何か価値を出さないと自分の価値は認めてもらえない。

●特性と特徴的なキーワード
・人に価値を出せなければ自分はいる意味がない、いる価値がない
・人からの期待にこたえたい
・勝てないゲームはしたくない。確実に勝負できるものを無意識に選ぶ

●代償
他人軸で生きるため、自分がなくなる。

●作り出したい世界
何ができてもできなくても、自分はいるだけで価値がある、誰もがいるだけでいいと認められる、存在する価値ですべでの人の価値が認められている世界。

B.愛なしモデル

●痛み・繰り返される不本意な現実
(こんなにやっても)「やっぱり自分は愛されない」自分のありのままでは愛してもらえない

●特性と特徴的なキーワード
・恒常的な「寂しさ」があり、つながりを失って一人になってしまうのが怖い
・人に与えてばかりで疲れてしまう傾向がある
・本当のことを人と分かち合いたい
・問題があるときはちゃんと話して分かり合いたい

●代償
人に過剰に尽くして自分の真実を生きれない。

●作り出したい世界
誰もが自分を無条件に愛し、真実からありのままを受け入れられ、理解しあえる関係性で人間同士がつながっている世界。

C.ひとりぼっちモデル

●痛み・繰り返される不本意な現実
「初戦自分は独りぼっちだ」人が去っていく、離れていく、つながりが立たれる分離の痛み。

●特性と特徴的なキーワード
・人はいなくなるし、去っていくものという孤独感
・来るもの拒まず、去る者追わず
・人に過剰に入れ込まない、執着しない
・集団の中では個性的で一匹狼だ
・人間が面倒くさいと感じる
・「好きにしたらいい」が口癖

●代償
常に自分や人、世界を割り切ってとらえ、決してなくならない孤独を抱える。

●作り出したい世界
人が命の全体性の一部を担っている、その一部として生かされている、というワンネスの感覚の中で誰もが自由に自分の人生を生きている世界。

D.欠陥欠損モデル

●痛み・繰り返される不本意な現実
(こんなにやっても)「やっぱり自分はダメだ」自分には決して埋まらない決定的な欠陥がある。

●特性と特徴的なキーワード
・自分は何か足りない、出来損ないだ、ポンコツだという漠然とした自己不信
・とにかく不安になって落ち着かない。「ここにいていいのか?」「私は大丈夫か?」
・他社と比較して自分の至らなさが気になる
・不安から行動しがちなのでやることが増える
・なかなか物が捨てられない
・人の役に立とうとする
・安心していられる居場所を求めている

●代償
人の中で安心して自分でいられない。心の平安がない。

●作り出したい世界
凸凹のままで人は完全で、誰もどこにいても内側に何があっても、ありのままで安心して存在していられる世界。

 

私は本書で、ちょっと知らない世界を覗いた気がしました。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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