自己啓発

幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか




はじめの一行

はじめにーなぜ、私達は「幸せ」を求めるのか

1776年のアメリカ独立宣言で、その起草者であるトーマス・ジェファーソンは次のように書いています。
「我々は、次の真実を当然のことと考える。すなわち、すべての人間は平等に作られ、決して奪われてはならない権利をその創造主から与えられた。
その権利とは、生命の権利、自由の権利、そして幸福を追求する権利である」

幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか(ダニエル・ネトル)

たぶん、アメリカ人なら誰もが知っているであろうジェファーソンの引用。そしてその中でも、幸福を追求することが我々にとってとても大きなテーマである、という考えを展開します。

本書の内容

幸せって何だっけ?

かつて明石家さんまさんが、CMで歌った歌がありました。「幸せって何だっけ、なんだっけ・・・」。実はあれはけっこう本質をついてるように思います。
私たちが生きているのは幸せに向かいたい、というベクトルに向かっていると思うのですが、こんどはそこからじゃあ、幸せって何だろう?という問題が浮上します。じつはこれ、けっこう難しい問題で、本書の前半はその定義にページを割いています。

その中で幸せに関する「奇妙な事実」として以下の三つの話が提供されています。
①人は今より将来の自分のほうが幸せなはずだと信じているが、実際にそうなる人はほとんどいない
②社会が裕福になったからと言って、人々がより幸せになるわけではない
③将来の出来事がいかに自分の幸福を左右するかについて、人は常に間違った認識を持っている。

私達人間は、幸福を追いかけようとする性癖がプログラムされていると言います。しかし、幸福はなかなか訪れない。そのずれはどこからやっているのか、を解明しようとするのが本書のテーマです。

本書では幸福を三つのレベルとしてとらえています。
【レベル1】一時的な気持ち(よろこび、楽しさ)
【レベル2】喜本のバランスの判断(充足感、生活の満足度)
【レベル3】善良なる生活(美徳、潜在能力の開花)

幸せは「あたりまえ」になっていく

例えば、休暇を幸せだ、と感じるとします。しかし多くの人たちは、休暇をとることより多くの収入を得ることを優先させがちではないでしょうか。出来るだけ休暇を取ろうという動きとはかけ離れた動きをしがちです。この事一つとっても、私達の幸せに対する行動は不可解です。

さて、かりに給料が上がることが幸せへの一歩だという前提で考えてみましょう。それはその瞬間は確かにうれしいものです。しかし、長い目で見ればそれは幸せなのでしょうか。はじめは嬉しいのですが、やがて幸福度は元の状態に戻ってしまいます。これを「適応」といいます。望ましい状況を一つ手に入れると、一時的な幸せを感じることはできます。しかし次第にそれになれ個になってしまい、満足度は以前の状態に逆戻り。その結果、再度頑張って進もうとするけど、ネズミのまわす車輪と同じで、延々と同じところを回り続けています。

こう考えると、一つの疑念が浮かび上がってきます。
私達は、何かを得ることができれば、幸せになれると考えがちです。たとえば、年収〇千万円になれば、とかいい車に乗る事が出来たら、とか、良い家を買えたら、とか、そんな希望に目をくらまされがちです。しかし、それらは手に入れたときには一定の満足感は得られるでしょうが、すぐにその状態になれてしまいます。その結果、「もっと、もっと」と次を求め続けるアリ地獄のような世界がありそうです。良く映画などの世界で、お金持ちが退屈を持て余し、どの欲望をどんどんエスカレートさせるという話はよくありますが、実際のところ、そんなものなのかもしれません。

となれば、私達はどこへ向かって生きていけばいいのでしょうか。

性格と幸せ

本書ではある研究データをもとに、性格と幸福感についての関係を紐解いています。
たとえば・・・

性別との関連性(説明できる変動の比率)は1%
同じく年齢も1%
所得は3%と少し高めです。とはいえ、この程度の違いしかないのは少し驚きです。
社会的階級は4%
所得よりこちらが高いのは、周囲の扱いが変わるから常時感じる何かしらの幸福感があるのでしょうか。
結婚の状況は6%。

ここからがびっくりですが、
神経症的傾向は6~28%、外向性は2~28%、その他の性格要因は8~14%とかなり大きくなっています。

性格や物の感じ方というものが、幸せと非常に深い関係性を持っているように見えます。

 

さて、こういった考察を一つ一つ紐解いていくと、だんだんと浮き彫りにされてくることがあります。
私達は、どちらかというと、幸せになるために何かしらの物質的要件を気にかけがちです。
収入、車、家、持っているブランド製品などなど。
またそこに関連したステイタス、社会的地位。
私達が幸せを目指す、というとだいたいこういったものを手にすべく努力します。しかし、先に見たとおりこれらのものは、手に入れてもすぐに慣れてしまいます。ポルシェを買ってはじめのうちは鼻高々ですが、だんだんとそれが当たり前になります。するとさらに上を目指す必要があり、そうなるとまさにネズミの回し車状態。どこまで言ってもいきつく先はありません。

しかし一方で、ある状況を見たときに、それが幸せか幸せでないかは、物の見方一つです。性格が、幸せの感じ方に強く影響を及ぼすことからわかる通り、幸せかそうでないかは実は私たちが世界をどのように見るか、ということに依存するのではないかという思いがわいてきます。すごーーくまとめて言うなら、本書の結論というのは、幸せっていうのは気の持ちようなのではないか、ということではないかと思います。

さて、本書のアマゾンの評価を見ると、非常に意見が割れています。きっと、★一つをつけた人は、もっと具体的な幸せになれる方法を期待したのかもしれません。そういう人には本書がバカバカしく見えることもあるかもしれないでしょう。しかし、現実とはそんなものなのかもしれません。わたしたちは、何かに作られた幸せに引き寄せられて、いつまでも幸せになれない道を歩まされているのかもしれない、とさえ思えてきます。

幸せの求め方、変わるかもしれませんね。

 

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

 

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