ノンフィクション

日本列島祈りの旅2 クナト姫物語




はじめの一行

プロローグ

昔々……そう、まだこの地の人々に、歴史という概念が生まれるより前に……
そして……ヤマト王朝に滅ぼされた出雲王朝が栄えた時代よりも、さらに遡って……
龍を愛する美しい姫とその一族が、島根の海岸で非業の死を遂げたという……
その悲劇が……人々の記憶からも、伝承からも失われて、はるかに久しい。
しかしながら……死者の怨念が封印されたその場所は、穢れ地として知られていたようだ。

日本列島祈りの旅2 クナト姫物語(天外伺朗)

天外伺朗さんと言えば元ソニーでCDやAIBOの開発に携わったというバリバリの理系人。しかしこの方が最近ますますスピ度を増しているようです。このプロローグは、実際にあったであろう出雲王朝よりさらに昔の時代にあったであろう内容を脚色してフィクションとして紹介する話。で、その昔の時代にあったことというのは、チャネリングなどの情報をもとにしているとのこと。冒頭は、そんなおとぎ話的昔ばなしから始まります。

本書の内容

クナト姫とそこに関する癒しの旅

本書のテーマと言えば、タイトルに『日本列島祈りの旅』とあるとおり、日本全国の要所要所を祈るというか、何かしらの浮かばれない霊(?)を癒す旅がトータルのテーマのようです。そこで一つの大きなテーマが、タイトルにもなったクナト姫の供養(?)です。史実や様々な分析とともに、チャネラーによる情報を総合していくと、太古の島根県である部族とある部族の衝突があった。そのはざまで微妙な立場にいたクナト姫は非業の死を遂げた。実際のところは、このクナト姫だけではなく、クナト姫やそこに関わる一族を滅ぼした民族にもまた、大きな罪の意識とといったものがあり、それらが今の日本にあまりいい影響を与えていないと言います。これらの魂を鎮めるといった目的をもって、天外さんとその仲間たちが日本国内の様々な地をめぐります。本書は前半戦が、天外さんたち一行がたどり着いたクナト姫の生涯に関する物語。これをある程度脚色・保管して一つの物語に仕上げています。後半は、クナト姫をはじめとする魂を鎮めるための旅の紀行というか、ノンフィクションになっています。

登場人物の中でかなり目立つのが、Tya-Tyaと名乗る女性。2011年3月11日の東日本大震災の後、龍が見えるようになり、また突然宇宙語をしゃべりだしたという。それも6種類もの宇宙語を使い分け、シフォアと名乗る宇宙存在とコンタクトが取れるようになったと言います。このあたり、どこかバシャール&ダリル・アンカを思い出します。
このTya-Tyaという方、天外塾という経営者向けセミナーの塾生だったと言います。

驚きなのですが、本書では何度も天外塾という言葉が出てきます。たとえば、ある場所へ鎮魂の旅に出る際にも、天外塾のたまたま居合わせたメンバーが同行したりします。普通の経営塾の塾生がそんなことに関心を寄せてついてくるか?と思うのですが、もともとの天外塾はそれなりに普通のセミナーだったようですが、だんだんと発展していまはこんなちょっとオカルトチックな話もバンバン取り上げる場のようです。個人的には、普通の経営塾がこういう方向にどうやって行けたのか、気になるところです。

「戸」のつく地名

本書の中で私が一番惹かれたのが「戸」のつく地名に関する話でした。大和民族がアイヌを虐殺し、怨念を封印してきた場所に必ず「戸」の一日名を残してきたというのです。多くの人が知るところでは、「神戸」や「水戸」そして、今回訪問する地は加賀の潜戸というところになります。「戸(へ)」というのは、何らかの呪術の実行を表す大和言葉らしい。こういったところへの旅へも、経営塾の塾生が同行したりします。本書にもこんな風に書かれていました。

愛媛天外塾の塾生は、経営塾だと思って参加したのに、とんでもない怪しい旅に巻き込まれたことになる

自覚はあるのですね(笑)

こういった旅とチャネリング、癒しの儀式の中で、だんだんとその土地由来の過去が見えてくる。本書のだいご味はそんなところでしょう。そういったちょっと怪しい世界がお好きな方には楽しめる一冊ではないかと思います。

 

いやーー、読書って素晴らしいですね。

 

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