ビジネス書

ここはウォーターフォール市、アジャイル町 ストーリーで学ぶアジャイルな組織のつくり方




はじめの一行

プロローグ 静寂に響くキータッチ音

「春は出会いと別れの季節」
……とはよく言ったものだ。
しかし、春だからってなにもわざわざ出会いと別れを演出しなくてもよいではないか。これまでと同じで何がいけないのか?
3月の終わりの州の月曜日。相良真希乃(さがらまきの)は、たったいま受け取ったばかりの事例書を見てため息をついた。

「相良真希乃 情報システム部 インフラグループ勤務を命ずる」

ここはウォーターフォール市、アジャイル町 ストーリーで学ぶアジャイルな組織のつくり方(沢渡あまね、新井剛)

本書は小説の体を撮ったビジネス書。
本書の書き出しは、主人公の相良さんが、行きたくないあるセクションに移動になるところから物語が始まります。

本書の内容

アジャイルよウォーターフォール

実は私はここに出てくる用語、アジャイルもウォーターフォールもよくわかりません。
調べてみると、システムなどの開発手法なのだそうです。
ざっくりいうと、ウォーターフォールというのが、はじめに全体の規格を決めてしまい、ひとつづつ積み上げていき、すべての高低を終えて初めてそのシステムを使うことができるようになることのようです。
一方アジャイルというのが、機能別の開発・運用で、それらのパーツを最後に組み上げるイメージでしょうか。
まあ私もいまだにはっきりよくわかってません。

ということで、本書はアジャイルを説明する本でも、ウォーターフォールを説明する本でもない、というのが私の印象でした。
私の職場では、アジャイルもウォーターフォールも、用語として使われるシーンはありません。
けど、この本はけっこう使えるな、という印象を得ました。
そこについて、少しご紹介したいと思います。

本書のテーマは部門間が一体になるということ!?

私個人的な感想としては、本書はそれぞれ専門分野を持った部署が一つの目的に向かって一体になって動くための本、というものでした。
表向きの話として、アジャイルとウォーターフォールそれぞれの良さを上手く活かしていこうという事があるのですが、とにもかくにも専門分化した組織では組織間でのいざこざがつきものです。
たとえば私の仕事場は、営業と事務でそういったことが起こりがちです。
営業は外に出て販売することが仕事だし、事務はそれらの状況を記録し、手続きすることが仕事です。
しかし実際のところ、事務が仕事を進めている日中は営業は外出しているわけですが、事務が仕事を終えようという夕方に営業が事務に仕事を言いつけることがけっこうあります。
それも至急扱いで。
事務にしてみれば、「それは明日ではダメなのか?」とか「こちらの都合も考えてほしい」とかいろいろ言いたいことはあるわけです。
営業も営業で、日中は外に出てるのだから仕方がないじゃないか。俺たちの苦労もわからないくせに、みたいな話はよくあります。

これ、それぞれが自分の部署の仕事に責任を持とうとするがゆえ、逆にその責任を果たすにおいての障害を持ち込まれるようなイヤな感じがあるんじゃないかと思います。
これってもはや、組織としての一体感というより、部分最適の世界。

これがシステム開発などになると、いろんな役割を持つ人たちが絡むので、より鮮明に、より複雑に問題が絡み合うのではないかともうのです。
その組織を一つにまとめ、情報を共有し、目的に向かって邁進する組織にできないか。
これが本書の中心テーマと感じました。

だから、アジャイルとかウォーターフォールとかは無視して読んでも十分理解できます。
むしろ、一般の企業のマネージャーにとっては、理系的にロジカルに組み上げられた組織の片鱗を知るいい機会になるのではないかとさえ思います。
それらの一見難しそうな話が、小説としてかみ砕いて説明されています。

ロジカルでは動かない合理性を欠いた人という生き物をどう動かすか。
そこが一つの見どころではないかと思います。

一般の企業において、「新しいシステムや仕組みを導入しようとしたとき、なぜメンバーは拒絶反応を起こすのか?」という事を本書から学び取ることができるのではないかと思います。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

 

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