マンガ

マンガ ユング深層心理学入門

はじめの一行

はじめに

この夢は一生涯ずっと
私の心をうばう
ことになった

夢の中の幼い私は
野原で遊んでいる

そこに大きな穴があった

あれっ?

アーッ!

そう
よく見てごらん
あれが
人喰いですよ

ママ・・・!

マンガ ユング深層心理学入門(石田おさむ)

マンガなのでセリフが飛び飛びです。というか、はじめの数ページは本当に文字が少ない。
これは何を表しているかというと、ユングが幼少のころに見た夢で、彼の中にはそれが強い印象を刻み込んだようです。なかでも、巨大な一つ目で男性の精気をかたどったかのような「人喰い」という化け物の出現。この夢がキッカケなのかどうかはわかりませんが、ユングは人の心の奥底に強い関心を持つようです。

本書の内容

ユングの生涯

本書をひとことで語るとするならば、ユングの生涯を早送りで見ていく物語と言えそうです。子ども時代に始まり、フロイトの心理分析に傾倒した時代。次第に、何もかもを静的な衝動に結びつけようとするフロイトとは一線を画した持論の確率。そして妻との関係や、その人間性まで。マンガでの表現なので少し美化されているところはあるのかもしれませんが、ああ、そんな風に育ち、人間形成がなされていったんだな、というのがなんとなく見て取れます。本書のタイトルには「深層心理学入門」とありますが、それを学ぶという観点から言うと少しその情報は部分的過ぎるような気がします。また、多少の基礎知識がないとちょっと意味不明な部分もあるかもしれません。とはいえ、限られた紙面の中での表現という意味では、マンガというスタイルで効率よくユングの全体像を伝えてくれているような気がします。

集合的無意識の発見

ユングと言えば、私の印象ですと「集合的無意識」の発見というのがとても大きいです。この集合的無意識というのは、人間の意識の層の下の方にあるもの。人の意識はまず自分で認識できている部分が、「意識」ですね。自分の思考と言ってもいいかもしれません。そこから少し深いところに行くと、無意識の世界が広がっています。人は結構いろんなことを無意識で行っています。心臓やら内臓は無意識で動いていますし、自転車の乗り方、車の運転の仕方を知っているのは無意識の領域です。これらをやるときに自分で意識して言葉や文字にしろ、と言われると結構大変だと思いますが、それを意識の力を借りずに毎瞬やり遂げています。

ユングはさらにその下の層として、集合的無意識があると主張しています。それは人間共通の無意識。だから私が知っていることはあなたも知っているし、あなたが知っていることは私も知っている。ただ、その知識領域にアクセスするのが難しいから人は個々に生きているように見えますが、意識の奥の層ではつながっているというわけです。これは、ちょっとオカルトチックにも見える話ですが、一つの学説として真面目に研究されている内容です。

私の関心ごとは、どうすればそんなものが発見できるのか。そもそもそんな発想がよくできるよな、と思ったので、その過程を知りたかったのですが本書でははっきりとそのテーマに切り込んだわけではありませんが、なんとなく見て取れるシーンがあったので面白かったです。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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