ビジネス書

100円のコーラを1000円で売る方法

はじめの一行

Prologue 宮前久美、登場

朝8時。鈴木信彦が東急田園都市線鷺沼駅から電車に乗り込むと、与田誠がいつも通りつり革につかまりながら、新聞を読んでいた。180センチを超えるがっしりとした体格で眼光が鋭い与田は、社内でもひときわ目立つ。
「おはようございます」
与田が新聞をたたみながら、鈴木に挨拶をした。
平日の朝、田園都市線で急行に乗るには勇気が必要だ。沿線一帯は、二子玉川・たまプラーザ・あざみ野を中心に、現代の日本では数少ない人口増加地域。

100円のコーラを1000円で売る方法(永井孝尚)

普通のビジネス書をイメージされた方は、このあたりの書き出しでちょっと「?」が出てくるかもしれませんね。本書は、マーケティングに関する様々な知識を、ストーリーの中で紹介する本です。つまり、これは小説の導入部。ここで出てくる与田というのが、この後出てくる破天荒な宮前という勢いのある元営業、現商品企画の女性社員を結果として指導する形になります。宮前は、読者の想像以上にいろんな失敗をやらかしてくれて、そこに与田の指導が入ることで、私たちも与田に指導されているような形をとったビジネス書となります。

本書の内容

事例を通じてマーケティングの基本を学ぶ

件の宮前は、美人な女性という風貌に似合わず、これまでやってきた営業スタイルは非常に昭和的。たとえば、お客様の要望は全部聞く。そのうえで値段は安く。そんな時に他者とのコンペで競り負けた案件があった。こちらは最安値を出し、お客様の意向をすべてくみ取った企画なのに、自分たちが負けた相手はお客様の意向を反映しないどころか、値段も高い。それがなぜかと追及していくと、自分たちはお客様の言いなりになっていたのに対し、先方は自分たちの思う考えを提案し、お客様の気づいていない問題を気付かせていた、なんていうことがあったようです。

この「事件」に憤慨した宮前は、今度こそはと奮起する。色いろんな企画を立てるものの、与田がOKしない限りはそれは現実のものとはならない。宮前は、何度も何度も与田にぶつかっていくのですが、その都度与田には「まったくなっていない」と突き返されます。そういったなかで与田から聞くマーケティング論は目からうろこ。だんだんと宮前は与田の能力を信用し始めます。

リアリティのある事例に学術的マーケティング論を当てはめてみる

そんなストーリーの本進話のつど、本書では、古今東西の様々なマーケティング理論を当てはめて考えていきます。コトラー、ドラッカー、ポーター。ブルーオーシャン、キャズム理論など、難しそうなものも簡単明快に描かれています。決して難しい用語を使うことなく、肌感覚で理解できるようにあらわされているのは本書の人気の秘密かもしれません。これをもとに、それぞれの考え方を深く学んでいくきっかけには、とてもいい本じゃないかと思います。

で、タイトルにある、100円のコーラを1000円で売る方法って、どんなものなんでしょう?本書の中でその答えは出されています。が、ほんの数行です。なるほどーーー、って感じでした!

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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