安生正

襲撃犯

はじめの一行

六月二十三日付 東日本新聞朝刊

二十一日から日本を訪れていたアムスラー国務次官補は、たった二日という滞在日程の中で、片山総理、梶塚官房長官、防衛省幹部などと精力的に会談を行った。席上、北東アジアの情勢分析と安全保障上の懸案事項に関して意見交換が行われた模様で、中でも中国並びに北朝鮮問題が重要な議題だったと政府筋は認めている。アムスラー国務次官補は離日直前に記者団のインタビューに応え、「詳細については話せないが、今回の訪日は大変有意義なものだった。

襲撃犯(安生正)

いきなりなんのこっちゃ、という報道からこの小説は始まります。ただなんとなく、アムスラー国務次官補というアメリカの要人が大慌てで日本にやってきて、いろんな議論をして帰っていった様子だけは見て取れます。何かが起こっている。そんな予感を感じさせる書き出しに見えますがいかがでしょうか。

本書の内容

日本を舞台にしたハリウッド映画的展開

もともと私が初めて安生正さんの本を手に取ったきっかけは、高野和明さんの『ジェノサイド』という小説を読んだと気にさかのぼります。ジェノサイドという小説は、日本人の小説とは思えないようなスケールの大きなハリウッド大作的な物語で、「おお、日本の作家でもこんな小説を書く人がいたんだ!」とびっくりしたものです。というのも、日本の小説は警察もの、サスペンス的なものが多く、最近お仕事小説とかそんなジャンルもあるようですが、物語全体のスケールはどちらかというとせいぜい日本国内限定的なものが大半だったような気がします。そんな中、松岡圭祐さんのようなスケールの大きな舞台を描く作家の方の作品なんかともであって、おお!すごい!なんて思ったものです。身近に起こる話もいいのですが、スケールの大きな話も読みたい。そのスケールの大きな話を読むなら、というところの作家さんの1人が安生正さんの作品です。

で、本書のストーリーはある地震研究施設付近である襲撃事件が起こります。その犯人は訓練された武装グループだったといいます。そのグループはいったい誰なのか。北朝鮮?テロリスト?いろんな憶測が飛び交う中、行き着く間もなく様々な事件が勃発します。これの対処に、自衛隊内で極秘の任務としてある自衛官が任命されました。そして捜査が進むにつれて明らかになっていく事実は、予想もしない展開に発展していきます。冒頭の情景はまさにその伏線。話がどこまで膨らむのか、楽しみに読んでいただきたいと思います。けっこう分厚い本ですが、退屈することなくどんどん読み進めることができました。

あんまり書きすぎてネタバレになると面白さ半減だと思うのでこれ以上は書きませんが、一般人がまったく知らない間にこれだけの事件が起こっているというお話。もしかしたら、現実にもそんなことがあるのでしょうか……。 もしそうだとすると、ゾッとします。

 

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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