ノンフィクション

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること




はじめの一行

認識の誤り

本書は人口問題、少子高齢化問題をデータから紐解く内容になっています。
冒頭の話は、一般的に信じられている常識が、実は非常に浅い知識の中で議論されている事を問題提起しています。

呑気な人々

日本が少子高齢社会にあることは、誰もが知る「常識」である。だが、その実態を正確にわかっている日本人は、いったいどれくらいいるだろうか?
私は仕事柄、国会議員や官僚、地方自治体の首長、経済界の重鎮たちと接する機会が多いのだが、政策決定に大きな影響力を持つ彼らであっても、正確にはわかっていない。
人口減少問題への対策を担う閣僚からしてそうである。たとえば、地方創生担当相の山本幸三氏は、「地方創生はまず少子高齢化に歯止めをかけて、地域の人口減少と地域経済の縮小を克服して、将来にわたって成長力を確保することを目指しております」と語った(2016年8月3日の就任記者会見)。
だが、残念なことに、「少子化」は止まりようがない。今後の日本社会は、子育て支援策が成果を挙げ、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に出産する子供数の推計値)が多少改善したところで、出生数がぞうかすることにはならないのである(その理由は後述しよう)。

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること(河合雅司)

本書の内容

表紙に取り上げられた数字

この本、けっこう売れているようです。
その理由はどちらかといえば、前書きをパラパラ見て決めるというより、そもそも表紙にあげられたデータに目を止めるのではないでしょうか。
表紙カバーにおいて、本書の中で紹介される統計数字から、以下のものが引用されています。

2020年 女性の半数が50歳超え
2024年 全国民の3人に1人が65歳以上
2027年 輸血用血液が不足
2033年 3戸に1戸が空き家に
2039年 火葬場が不足
2040年 自治体の半数が消滅
2042年 高齢者人口がピークを迎える

これらの数字が、著者の予測ゲームではなく、統計数字から見えてくる内容だとすると、非常に信ぴょう性も高い。
しかも、決して遠い未来の話ではないわけです。
とくに、2020年あたりの年号には、ついつい目を止めてしまいます。

本書は、各種データを分析し、未来の年表を作っているイメージになります。
2017年から始まる年表はすべて統計に紐づけられた未来予測年表。
上記にあげたほかにも、
2021年には介護離職が大量発生、2023年企業の人件費がピークを迎えるなど、まあ背筋がゾッとする予測年表なのです。

著者による提案

大半をこう言った年表に費やしていますが、後半部分には著者による提案が行われています。
彼の感覚からすると、今の政治の方向感は少し間違っているようです。
それもそのはずで、政治を考えるベースとなる部分のデータの使い方が違うわけです。

最終的にどんな未来になるかはわかりませんが、人口問題に関していえば予測が外れることが少ないものの一つ。
そういう意味では、経営などに携わる人は、必読の一冊かもしれません。
来るべき未来をイメージしながら経営する。
これ、大事な事なのではないでしょうか。

本書のご購入はこちら。




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