ノンフィクション

不登校から脱け出す たった1つの方法




はじめの一行

共感

本書の始まりは、読者との共感から始まっているように思います。
困り切った人たちと同様、ほかにも同じ悩みを持つ人がたくさんいる。
そして自分はそんな人たちの相談をたくさん受けてきましたよ、と。

私も不登校でした

子どもが学校へ行かなくなってしまった。
ときどきは行くが、いわゆる「保健室登校」が精いっぱい。
自室にこもりきりで、もうずいぶん外へ出ていないー。

そのような親子は、現在の日本に大勢おられます。
原因がわかっている場合も、わからない場合もあります。
解決策を求めて行動を起こしている人もいれば、学校以外の居場所を見つけた人もいます。
カウンセリングや治療を受けている人もいれば、ただ途方に暮れているだけの人もいます。
一口に不登校、引きこもりと言っても、状況はそれぞれです。しかし一つ確実に言えることは、どなたも一生懸命に、この問題と向き合っているということ。
本書を手に取ってくださったあなたが、おそらく現在そうであるようにーー。

私は現在、不登校や引きこもりのお子さんを持つ親御さんにアドバイスを差し上げたり、ご相談に乗ったりする仕事をしています。
7年前にこの仕事を始めてから今までのご相談件数は、7000件以上に上ります。
以前は全く別の仕事をしていた私が、なぜ今の仕事をしようと思ったのか。
その理由は、私自身の子ども時代にあるのです。

不登校から脱け出す たった1つの方法(菜花俊)

本書の内容

子どもは親を見て育つ

本書の結論を一言でいうなら、親が人生を楽しめば、子どもはそれを見習う。
つまり、親が生き方を示すべし。
人生を謳歌する姿を子供に見せるべし。
そんな風に言っているように思いました。

たとえば、子どもは親を見て育つ。
とすると、親が自分を大切にしていなければ、子は自分を大切にしない親を見習う。
親が夫や妻を大切にしていなければ、子は家族を大切にしない親を見習う。
だからこそ、子どものために何かをするということを考える前に、親が自分を、家族を大切にする姿を見せなくてはならない、と。

もちろん、子どもが元気を取り戻す過程では、子どもへの働き掛けも同時に必要です。
その方法も本書には記されていますが、なにより親の在り方。
これが大事だという風に私には感じられました。

自己重要感不足の連鎖

本書のみならず、不登校に関する本を読んでいると、こんなことを感じます。
それは自己重要感(自分は価値ある人間だと感じられる状態)が親から子へ引き継がれるもののようです。
たとえば、親に自己重要感が足りない場合、子は、それを受け継ぎます。
遺伝ではなく、親の行動を無意識に見てそれを察知するようなのです。
となると、不登校を解消する最も根本的な方法は、親が自分の人生を生き生きと歩むこと。
ここに尽きるような気もします。

焦りは禁物

不登校のお子さんを持つと、家族はどうしても焦ります。
進学の問題だったり、この将来の問題だったり。
しかし、実は子供も同様そのことへの不安は持っています。
親が考える以上に子どもは大人です。
そこに追い打ちをかけるように、親が子供に学校に行くことを強要すればするほど、症状は悪化する。

ここは、大きく構えて、高校や大学に今いけなくったって、いずれ本人がその気になれば取り戻せる。
人と同じ人生を歩むことを求めるのはやめよう。
そう考える必要があるかもしれません。

実際に、学歴社会はこれから崩壊する、と私は考えています。
競争社会から、新たなフェーズへ進む社会のはざまで、多感なお子さんが何か違和感を感じ取っているのでしょう。
10代のころの多少の寄り道は、何とでも取り返せます。
私の知り合いでも、中卒で稼いでいる人、結構いますから。
どっしりと構えていくのがいいのではないかと思います。

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