小説

不倫純愛




はじめの一行

ある中年夫婦の日常

はじまりは、ある中年夫婦の日常から始まります。
仲はいい。
しかし、唯一うまくいかないのは夜の生活。
その描写が、なんともハードボイルドチックなのですが、ありがちな光景だけに共感を呼びます。

一向に、睡魔は訪れてきそうもなかった。
微かに聞こえるシャワーの音に焦燥を感じながら、京介は寝返りを打った。
このまま眠りに落ちることができたなら……という考えが、たぶん卑怯なのだろうと思う。
しかし、疲れているのを理由にしたときに、確実に気まずい空気に支配されることがわかっているので、「卑怯な男」を選択するしかないのだった。
真知子との夫婦仲は、結婚生活十五年ということを考えれば、円満そのものだった。
よく気が利き、料理上手で、容姿も実年齢の四十より十近くは若く見える妻に不満はなかった。
出版社の編集長という要職に就き、年収は七百万と高給とはいかないまでも不足のない稼ぎがあり、週末は必ず外食に誘う夫を、妻もまた不満には思っていないはずだった。
映画鑑賞、読書、グルメ……二人の趣味も共通していた。
妻を愛しているのか?と訊ねられれば、京介は迷いなくイエスと答える。
だが、それは恋愛感情なのか?と訊ねられれば、首を縦に振る自信はなかった。
愛しているのに、恋愛感情はない。

不倫純愛(新堂冬樹)

本書の内容

黒新堂

あまり詳しくはないのですが、どうやら著者の新堂冬樹さんの作品には二つのパターンがあるようです。
白新堂と、黒新堂。
で、本作は、黒新堂に分類されるようです。

冒頭の、仲はいいけど夜の生活がうまくいかない夫婦。
この夫婦にある出来事が起こります。

主人公京介は、ある出版社の編集長。
そこに彗星のごとく現れた若手作家岡セイジの二作目の担当者として、抜擢される。
そこでセイジの事務所に行くと、そこにいたのは澪香という美人秘書がいる。
彼女は、京介を誘い、京介はその誘惑にあらがえない。
そんな秘書との情事におぼれた先にあるものは……

そんな感じです。

同じタイトル

どうやら本書と同タイトル、同著者の小説があるようです。
主人公の男女が入れ替わっているようですが、内容については同じかどうかは私は知りません。

この小説、ほぼ官能小説です(笑)
初めて読んだのはずいぶん前になりますが、年末の大掃除で出てきたので、サクッと再読。
現在はKindle版で読めるようですね。

そういった趣向の小説が好きなら軽く読める本。
そうでないならやめておいたほうが良いかもしれません。

で、アイキャッチ画像に設定した表紙は、嘉門洋子主演で映画化された時の画像のようです。
こちらも本書の内容とは少し変わっているようです。

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