目次
はじめの一行
売れることが正義である!?
超皮肉屋で、仕事に忠実。
極端で気難しそう。
私が受ける、ダン・S・ケネディの印象です。
しかしさすがに本質をついているし、回りくどい話もなし。
忖度とは違う次元にいる人なのでしょう。
こんかいは、そんなマーケッターの著書です。
先進的なニセ医者
信じがたいものを売る秘訣は、
信用できるものを売る際に最も効果を発揮する
ダン・S・ケネディこのページを書いている今、私は、呼吸し、食事をし、眠り、宣伝やマーケティングやプロモーションで生計を立て、つまり、あれやこれやの誇大広告でお金を稼いで35年と数週間になる。私はその事実をちっとも恥じていないし、仕事を愛している。度を越した、常識はずれの広告やマーケティングは、詐欺まがいのものに至るまで大好きだ。
今、私が気に入っている宣伝の1つは、大々的に売って目覚ましい成功を収めた「アーミッシュのヒーター」のキャンペーンだ(訳注:アーミッシュはキリスト教の一派で、電気、ガス、自動車などを使わず、質素で禁欲的な生活をしている)。それは、実態は普通のスペースヒーターなのだが、暖炉に似せてデザインされていて、天板が炉棚になったキャスター付きの木の箱に入れられている。
この木製の箱(だけ)が「アーミッシュの職人」によって作られたものだ。普通に買っても異常に高価だが、コピー満載、逸話満載の新聞の全面広告や、雑誌広告、ダイレクトメール、テレビのインフォマーシャル(訳注:情報提供番組の体裁をとって製品やサービスを詳しく紹介するコマーシャル)で買うとさらに高い値段になる。
皮肉にも、アーミッシュの人々は、自分の家にこんなヒーターを置けないし、それを販売するインフォマーシャルも見られない。おかしな話だが、アーミッシュの人々がかかわっているのは「暖炉」そのものではなく、木枠の部分だけなのだ。ペテンといえばペテンだが、どこかほほ笑ましい、ほとんど害のないものである。一方、その広告は傑作だ。それを見ると、まるで美術館にかけられた名画を目利きが干渉するときのように感心してしまう。
ほかに、現代のペテンでお気に入りなのは、もう10年になるが、サブウェイのチェーンが、1フィート(30センチ)もあろうかという巨大なパンを食べるのを、平然と減量の手段として宣伝し続けていることだ。もう1つは、スターバックスが小さなカップのコーヒーを「グランデ」と呼んでいることである。
ダン・ケネディの本は、とりあえず読んでて面白い。
このまえがきの中でも、サブウェイだって、スタバだって、詐欺めいたマーケティングやってるじゃないか。
アーミッシュのヒーターなんていうものはまだ序の口。
そんな風に言いたいのでしょうね。
しかし、本書は天才詐欺師と言われた医師のお話。
本書の内容
まえがきで気分が悪くなった人は読まないで
本書はタイトルの通り、黒い(笑)
まさに詐欺師のテクニック。
稀代の詐欺医者から、そのマーケティングテクニックを学ぼうという趣旨の本です。
まえがきにおいても、どことなく黒いムードが漂っているのは見て取れると思います。
この時点で、気分が悪くなったのなら、本書は読まないほうがいいでしょう。
おそらく、怒りがこみ上げ、途中で本を投げ捨てるかもしれません。
ただ、中身のないものを売るのが詐欺師です。
これをいいものを売るために活用できたとしたら、すごい効果が表れそうなのは想像に難くありません。
読者としては、白い自分のまま、黒いテクニックをうまく融合させる。
そんな方法を考えていく必要があるのかもしれませんね。
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