小説

千里眼 運命の暗示 完全版―クラシックシリーズ〈3〉




はじめの一行

ディフェンダー

薄暗い部屋の中で、鍛冶光次はひとりたたずみながら、その女を眺めていた。
身に着けているTシャツとジーパンは、汗にまみれて黒ずんでいる。家畜の様に薄汚れて、床に横たわったまま、ぴくりともしない女。
天井から日本の鎖がさがっている。鎖は緩やかに曲線を描いて、うつぶせにうずくまっている女の両腕に伸びていた。太い鉄枷が、白い手首に蛇のように絡みついている。
岬美由紀は眠りに落ちていた。
確実に意識を失っているはずだ、鍛冶はそう確信していた。
数時間にわたる脳電気刺激の拷問によって、美由紀は、生死の境をさまよっていた。床に崩れ落ちる寸前には、心拍も血圧も減少し、まさしく瀕死の状態だった。
だが、休息はもう充分だろう。この程度で死ぬ女ではない。
鍛冶は手にしたリモコンボタンを押した。
微かな振動とともに、室内に低いモーターの作動音が響く。二本の鎖が、ゆっくりと巻かれていった。
それにつれて、鉄枷をはめられた美由紀の腕が次第にひきあげられていく。

千里眼 運命の暗示 完全版―クラシックシリーズ〈3〉(松岡圭祐)

今回は、前回の続き。
ちょうど美由紀が拷問されているシーン。
もう息も絶え絶え・・・なシーンのはずですが、岬美由紀は鉄人です(笑)

本書の内容

洋画を見ているような大舞台で

見ず知らずの施設に監禁され、脳に電極をはめられて拷問される。
前回はそこで終わっていたのですが、今回は冒頭のシーンからスタートです。
日本と中国、そしてアメリカ、ロシアを巻き込んでの開戦は秒読み段階に入っている緊迫した情勢。
この後美由紀は、反日感情が高ぶる中国に置き去りにされます。
手負いの状態で、お金もなく着替えさえない状態。

本書の中で、いったいどれだけのピンチに接したことか・・・汗
はらはらドキドキで、次から次へと訪れるピンチに手に汗握ります。
まあエンターテイメント作品として、日本の作家でこれだけ大きな舞台を用意する人は少ないと思います。
洋画を見るような楽しさにぜひ触れてほしいです。

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