小説

万能鑑定士Qの事件簿V




はじめの一行

ロワール

フランスに住み始めてからの大きな変化は、とにかく日が長いことだ。
とりわけ今の季節は、夜九時をまわってもまだ昼間のように明るい。十時に至ってようやく夕暮れ、十時半に黄昏どきになる。真っ暗になるのは深夜の十一時をまわってからだ。
それでも日本と同じ時刻には店のシャッターが下り、会社も向上も業務を終える。以後、開いているのはバーだけだ。だから、太陽がずいぶん高いところにあろうとも油断はできない。いまのように青い空が広がっていても、腕時計の針が午後六時を指していれば、取引先が閉まるのは間もなくだと判断せねばならない。

沖縄の波照間島から、一人パリにわたって五年。二十三歳になる楚辺瑛翔は、地平線の彼方までつづくブドウ畑の中に伸びる道に、おんぼろのシトロエン2CVを走らせていた。
ときおり突き上げるような振動が襲う。店の先輩の調理師に借りた車だが、無事にパリに戻って返却するまでエンストはご免こうむりたい。帰る手段がなくなるし、なによりコック見習いという立場では修理費に給料がすべて吹き飛んでしまう。

万能鑑定士Qの事件簿V(松岡圭祐)

シリーズ5作目となる本書の舞台はフランス。
主人公はまだしばらく出てきません。
ただ、シリーズを読み進めてきた人なら、「波照間島」というキーワードを見た瞬間、主人公をイメージしてしまいます。
この楚辺って主人公の凛田莉子とどんな関係だろう?
そんな疑問をしょっぱなから提示されると、この先読み進めないわけにはいきません(笑)

本書の内容

フランスの飲食店で起こった事件

今回の舞台は、フランス。
主人公凛田莉子は、なんだかんだ言って東京では自分の居場所をそこそこ確保してたかのように思います。
しかし、今回はほとんど知人のいないフランスで事件に遭遇します。

もともと莉子は休暇中にパリへの旅行を計画した。
しかしそれを両親に話したところ、なぜかかつての先生がついてくるという。
あーあって感じですね。

どうやらご両親は、その先生と将来結婚してほしいと思っているのかもしれません。
割とモテた先生なんですが、まぁその過保護っぷりはウザい。
莉子にたいしての保護者面とかはもう勘弁してほしいって感じです。
とはいえ、その先生もそれなりに本作では頑張ってくれるのですが。

で、莉子がいる以上何かしら事件が起こる。
それはある飲食店での出来事。
まあその辺まで話しちゃうと、楽しみを奪ってしまいそうなのであらすじについてはこの辺で。

フランスの食の安全管理

ちょっと違う視点で見たときに、もし、ここに書かれていることがすべて本当だとすると、フランスの食の安全管理はすごいんだなぁと感じさせるもの。
飲食店というのは、フォアグラ専門店なんですが、フォアグラを作る業者、そして調理する業者、それぞれで徹底した安全管理が行われています。
もし、食にかかわらず、製品やサービスの品質管理を気にすべき立場にいる人なら、ここから学ぶことも少なからずあるんじゃないでしょうか。

そういう視点で見ても面白い一冊です。

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