松岡圭祐
-
小説家になって億を稼ごう
はじめの一行はじめに―――小説家が儲からないというのは嘘ユーチューバーを目指す小学生も減少傾向にあります。動画配信すら打ち出の小槌ではないと判明しつつあ…
-
万能鑑定士Qの推理劇IV
はじめの一行披露宴二十代半ば、長身でスリム。ほのかに褐色に染めた髪は今風に伸ばしていて、細面で鼻が高く、顎も女性のように小さい。ジュノン…
-
万能鑑定士Qの推理劇 III
はじめの一行千葉鑑定団千葉県内の国道沿いには、倉庫のように巨大なプレハブ平屋建てに”なんでも買います”と看板を掲げた、キッチュで仰々しい…
-
高校事変
はじめの一行1総理大臣の最後の日課は、午前零時すぎ、私設秘書への電話だった。おやすみ、一言だけそう告げる。これで公邸にいる秘書が、番記者…
-
万能鑑定士Qの推理劇II
はじめの一行シャーロック・ホームズ十二世紀に設立された聖バーソロミュー病院では長いこと、患者が入院する際に葬式費用を請求していた。これは…
-
万能鑑定士Qの推理劇I
はじめの一行遡ること五年旅客機の客室乗務員を務めていると、地上のニュースには疎くなる。つい三か月前に東京三菱銀行とUFJ銀行が合併し…
-
万能鑑定士Qの事件簿XII
はじめの一行一九七八年の出来事(関東通信社まとめ)三月九日ーーーフランスのファッションブランド、ルイ・ヴィトンが日本に進出。高島…
-
万能鑑定士Qの事件簿 XI
はじめの一行五年前金閣寺からの帰り道、都立四谷女子高の修学旅行バスの車内は、にわかに湧いた。きっかけは、窓際に座っている一人の生徒の…
-
万能鑑定士Qの事件簿X
はじめの一行終焉夜間に駐車中のバンの中、明かりはごくわずかであっても、ほんの片手間の作業に支障はない。国立印刷局工芸官、今年で四十七…
-
万能鑑定士Qの事件簿IX
はじめの一行忘れ物今年六十二歳になるコヴェントリー生まれのイギリス人、ケネス・アリンガムにとって、日本の新幹線の乗り心地は快適だった。…