神永学
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心霊探偵八雲10 魂の道標
はじめの一行一〈ねえ。起きてよーーー〉耳元で誰かの声がした。節子が目をあけると、ベランダに面した窓からオレンジ色の光が差し込んで、リビングに置き…
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心霊探偵八雲9 救いの魂
はじめの一行「君にも、見えているんだろ」「君にも、見えてるんだろ」蒼井秀明が声をかけると、彼はゆっくりと振り返った。夕闇迫る、墓地の一角だっ…
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心霊探偵八雲8 失われた魂
はじめの一行イントロダクション男は、鍾乳洞の中を歩いていたーーー。じっとりと湿気が、身体にまとわりつく。昼間であるにもかかわらず、外からの光は届…
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心霊探偵八雲7 魂の行方
はじめの一行紅葉狩り今から千年以上の昔、現在の長野県に水無瀬という集落があった―――。この地には、ある伝承がある。子どもに恵まれなかったある夫婦…
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心霊探偵八雲 6 失意の果てに
はじめの一行プロローグ青々とした月が、冷たい光を放っていた。松谷和則は、胸を圧迫するような息苦しさを感じ、目を覚ました。時計に目をやる。午前二時…
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心霊探偵八雲4 守るべき想い
はじめの一行イントロダクションそぞろ寒い夜のことだった。宮川英也は小高い丘の頂上まで登ったところで、道路脇に車を停めた。ここか。フロントガラ…
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心霊探偵八雲3 闇の先にある光
はじめの一行イントロダクション静かな夜だった。小沢恵子は車を走らせていた。曲がりくねった道。その両側は木々に囲まれていて、街灯は一つもない。真っ…
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悪魔と呼ばれた男
はじめの一行プロローグ雨に濡れた墓石は、悲しみをたたえているようだったーー。天海志津香は、持参した白い菊の花をそっと手向け、目を閉じ…