はじめの一行
「成長したい」という欲求が幸福をもたらす
「うちの会社の売上が伸びないのは、世の中が不景気のせいですね」
「もう少し資金力があると、思い切った策がとれるのですがね」
「あの頭の固い部長がいる限り、私の出番はないですね」
といった話をよく聞きます。
と書く人間は、ことがうまくいかなくなると、その原因を「政治が悪い」「社会状況が悪い」「部長が悪い」というように、他人のせいにするものです。
だれもがつい口にしそうなセリフを冒頭に持ってくる。
ある意味常套手段ですが、なかなか効くんじゃないでしょうか。
実際に、本書の内容はここに尽きる、といったところがはじめのこの部分に集約されているように思います。
本書の内容
人の根源的欲求
本来、人は成長する意欲を持っています。
そして、成長することを喜びに感じます。
しかし実際は、冒頭のセリフにもあるように、なんだか状況に責任を求めてしまいがち。
まあいってみればこれは逃げでもあるのですが、そのことに気づいていない人はけっこう多い。
人は自分のことを正当化するために、周囲に責任を求めます。
本書の内容は、そんな己を戒め、自分の成長にフォーカスすることを推奨しています。
銀行はつぶれる
本書の序章には、こんな見出しがあります。
十五年前、「銀行はつぶれる」と予見した理由
さすがにこの数年は、そんな言葉もリアリティを感じるようになりました。
とはいえ、本書の発売は2012年。
しかもこの時点で、15年前というから実際には1997年頃にはそのことを予見していたといいます。
1997年と言えば、トヨタが初の量産型ハイブリッドカー、プリウスを発売した年。
確かにどこかしらどんよりとした経済状況ではあったかもしれませんが、まさか銀行がつぶれるなんてことを言う人はあまりいなかったかもしれません。
しかし、著者はそれを明確に予見したようです。
考えてみれば、彼らは量的な成長にはご執心だったかもしれませんが、質的成長については今一つだったかもしれません。
本書では、原理原則をもとに世の中を見ていきます。
そうすると、いろんなことが見えてくる。
そういえば、私は、2007年ごろに「保険はなくなる」ということを感じ始めましたが、著者の言う成長の減速に当てはめて考えると、その考えも特段おかしなことではないようにも感じられました。
さて、本書においては、原理原則さえ押さえればOKという論調です。
その原理原則を学ぶことができる、稀有な一冊と言えるかもしれません。
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