目次
はじめの1行
日本語版への序文
私は一〇代の頃、人前で話せなかったり、女性とのつきあいがうまくいかなかったりして、悩んだことがありました。なんとか自分の情緒を安定させ、苦悩を減らして、充実した人生を生きたい、と考え、文学に親しみ、哲学書を読み、心理学の学位をとりました。私なりに到達した考えを自分に応用してみると、めったなことでは不安になったり落ち込んだりしなくなったのです。
割とじみた書き出しですが、自分自身の葛藤をまず表示することで、共感を呼ぶ文章としたのかもしれませんね。
本書の内容
ABC理論
アルバート・エリスの名前を知っている人の多くは、「ABC理論」を通じてではないでしょうか。
ABC理論の「ABC」はこれらの頭文字をとっています。
A:Activating event(起こっている出来事)
B:Belief(信念)
C:Consequence(結果)
実際に、この理論を使ったワークを体験したときはこんな風に使っていました。
このABCのうちどれかを穴あきの文章にします。
たとえば・・・
私は友人が待ち合わせに遅れた(A)ことにより、( )と思って、友人に電話した(C)。
この場合、Bの部分が穴あきです。
でこのBにはどんなことが入ると考えられるでしょうか?
ある人は、「友人が事故にあった」と考えるかもしれませんし、
ある人は、「友人が私のことを軽く見てる」と考えるかもしれません。
そのほかにもいろんなバリエーションがあると思いますが、これを集まった何人かで共有しあうと、「人はそんな風に考えるのか」と驚くことがあります。
そういったことを通じて、自分の思考のクセを知ることが可能になります。
何かの事実が目の前にある時、人は自分のフィルターでその事実を見ます。
100%客観的になるのは、かなり難しいと思います。
その自分のフィルターで見た現実は、同じ出来事を見ていても人によって相当違う。
そのものの見方で、出来事に幸せ、不幸せが変わってくる。
それを知ることができるのが、ABC理論です。
エリスが提唱する論理療法
こういったことで自分の思考のクセを知れば、この癖を望ましいものに変えていけばいい。
ということで、本書では、そういった自分の思考のクセに対する反論を用意します。
そういう反論により、自分を説得する・・・
という感じの内容だと感じました。
現実を直接変えることは難しくても、現実をどうとらえていくかで幸福度は変わっていく。
要約するとそんなことを言いたいのかもしれません。
本書の効能
冒頭、本書の効能がまとめられています。
本書を読むことで、次のようなことに気づくのだといいます。
・生まれつき持った、あるいは好転てk仁科割った性格や傾向に不必要に従ってしまうことで、自分を過剰に不安、憂鬱、怒り、自己嫌悪や、自己憐憫に陥らせていることがある。
・自分の心を動揺させている、考えや感情や行動を変え、自分の不安や悩みを大幅に減らして、自m4悦的な傾向を弱めることができる。
・論理両方の手法を自動的に、習慣として使えるようになるまで、それらを継続的に用いれば、そのことで、人生の中でたとえ逆境が生じても、壊れにくい自分になれる。
そして本書は、こういった行動を推奨しています。
・自分に対する「ねばならぬ」という欲求を、「のほうが良い」という好みへと変えていく。
・自分への要求から生まれる、不安定な感情や行動を、きっぱりと辞める。
・強追的に考えない、感じない、行動しない。
・実際にどんなひどい、不都合で、不公平なことであっても、耐えられないことなど決してないと考える。そう信じられるような、安定した強い考えを獲得する。
・誤った、ばかげた行動だと思っても、その行動をとる人自身は最低の人間ではないのだという考えを受け入れること。ある行動によって、自分や人を全面的に非難することを辞める。
・どんな喪失、いらだち、失敗や逆境が生じた場合でも(あるいは自分で生じさせても!)、今でも十分生産的で、幸せな人生を作り出す能力が自分にはあると確信すること。
一つは思い込みからくる追われるような人生を辞めてしまおう、ということ。そして、自分を信じるということのようです。
しかし多くの場合、自分こそが非合理な思い込みを持っていることがあり、それを困難にしているようです。その思い込みは、次の三つの「ねばならぬ主義」のどれかに該当するといいます。
1.絶対に、重要な課題をきちんとこなし、周りの人に認めてもらわねば。そうでないと、私は嫌われ者になってしまう!(このような時、深刻な憂うつ、不安、パニックや、自己嫌悪が生じる)
2.私が大切に思い、よく面倒を見てあげた人は、私に対し絶対に新設であるべきだ。そうでないとしたら、彼らはひどい人間で、苦しんで当然だ!(このような時、強い持続的な怒り、いらだち、敵意が生じる)
3.私の生活は絶対に安定していて、不足があってはならず、楽しくあるべきだ。そうでないなら、世の中はひどい場所で、私は耐えられないし、決して幸せになることができない!(このような時、イライラしたり、落ち込んだり、自己憐憫が生じる。
このような「ねばならない」という思い込みを緩め、「好みとしてこうあったらよかった」というレベルまで下げてくると、その後の行動が変わるといいます。私の解釈でいうと、ねばならないの場合、そこから外れたものはすべて失敗、アウトなわけです。しかしそれが単に好みだとしたら、そのあとにも行動が続きます。まだ失敗と決まったわけではないのですね。だから私たちは打ちひしがれるのではなく、前を向いて歩ける。
ここにタイトルの意味があるのでしょう。現実を変えることはできないけど、幸せは物事のとらえ方ひとつ。それは現実から目をそらすというのではなくて、現実に縛られるというところから離脱し、自分が主導権を握るということ。そんな希望のある一冊です。
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