はじめの1行
亡くなる3日前の国際電話
2012年8月。その時私は伊藤忠商事の社員で、上海に駐在していました。いつものように仕事をしていると父から電話があり、こう告げられました。
「やっぱり、お前しかおらん」
父は、20台で事業を立ち上げた創業者です。私は、父の後を継ぐつもりは全くありませんでしたし、父も「お前には継がさへん」と、よく言っていました。
けれども「やっぱり、お前しかおらん」。
このとき父は、末期の肝臓がんでした。ほとんど力が入らない手で、震えながら受話器を持ち、最後に逢いたいということと、私に、会社を継いでほしいということを伝えてきたのです。
死の淵の父がかけてくる電話。
その電話で、著者の状況が一変する。
形としてはすごく理解しやすい展開。
もちろんフィクションではないので、それほど軽い話ではないのですが・・・
本書の内容
著者の回顧録
本書は大雑把に言うと、著者が伊藤忠商事に勤めていたときから、親の会社に呼び戻され、自分なりの経営を行っていくまでの回顧録的内容です。
内容としては、自分自身がやったことや、心構えなんかが書かれています。
自分はこういう時にこういう判断をした。
その時に、こんな風に考えた。
そういう内容が詰まった一冊です。
ご自身の想いが多くつづられているので、そういったモチベーションのところを補給したい人にとっては役に立つかもしれません。
全体的に読みやすく、サクッと読めてしまうんじゃないかと思います。
後継者に向けた本
本書は、著者が本の中で語っている通り、後継者に向けた本です。
実は、そういった本や情報は少なく、ほとんどは親経営者向けの本ばかり。
だから著者も参考になる本がなかったといいます。
それは現実だと思いますね。
数少ない後継者向けの本として、参考になるのではないかと思います。
後継者の本にありがちなのは体験記
本書もそうですが、いくつかの二代目経営者の書いた本は、多くが体験記です。
自分がこんなことを体験し、こんなことから学び、こんな風に考えてきた。
これをつづった本が多いような気がします。
これらはノウハウと言える形で整理されているのはほぼ皆無じゃないでしょうか。
まあ、事業承継なんてマニュアル片手にできるものではないですが、そんな骨太の一冊が待たれるところですね。
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これをiPadでぱらぱら見てます(笑)
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