ケヴィン・アロッカ

YouTubeの時代 動画は世界をどう変えるか




はじめの一行

プリロール

ヨセミテ国立公園の端に住む「ヨセミテの熊」こと、ポール・バスケスの部屋に午後の光が差し込むと、47歳になる彼はいつものカメラをつかんで外へ飛び出した。息をのむほど美しい二重の虹が、巨大な渓谷にかかっていたのだ。彼はそれまでも何百という動画をYouTubeにアップしていたが、この光景を前にして自分が今何か特別なものを撮っていると確信した。実際にその動画はネットで大きな注目を集めることになるのだが、それは虹が美しかったからではなく、画面には映らなかったものが原因だった。

YouTubeの時代 動画は世界をどう変えるか(ケヴィン・アロッカ)

引用部分をここで切っちゃうと、かなり思わせぶりになってしまいますね。
ご安心ください、本書ではちゃんとこの続きは書かれています。
日常の始まりから、突然の展開という物語の定石をこの数行で踏んでるように思います。

本書の内容

YouTubeの活用法・・・というわけではない

正直なところ、本書のタイトルを見たとき、YouTubeのこれからの活用法を記した本かな、という印象を受けました。
しかし中身はそうではありません。
これまでのYouTubeでバズった動画を中心に、ネットにおける動画が、どんな風に人々の中に浸透していったのか?
そして人々は動画に何を求めているのか?
そんなことが、これまでの動画のから推察されている本、というとわかりやすいかもしれません。

そして、とても特徴的なのは、紹介される動画にはすべてQRコードが付されて、手元で即座にスマホから確認できること。
これもまた、ネット動画の「立ち位置」と本書を揃えているようにも思えます。

テレビとの距離感

私たちがこれまで触れてきた動画と言えば、映画やテレビ。
これらは入念に設計されたプロットがあり、作りこまれた映像があります。
これは逆に言うと、ちょっとした距離感があります。
現実世界と、テレビの中のファンタジーとでもいうのでしょうか。

しかし、たとえばYouTubeの動画はもう少し距離が近い。
それらはすべてドキュメンタリー性があり、完全なるフィクションとは思えない立ち位置にいます。
また、人々に参加を促すものであったり、非常に近い位置にあることを本書の中では様々な事例から紐解いているように思います。

そういった立ち位置の変化もこれから出てくるのかもしれませんが、ネット動画の動向を見る中で具体的な例を示し、体感しながら著者の視点を知る興味深い一冊だと思います。

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    多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。
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