はじめの一行
はじめに
ある学生に「ボクは何のために生きているのでしょうか?」と藪から棒に尋ねられた。「わかりっこない」とはぐらかすことを許さないような顔つきだった。
しばし思案にくれてから、ぼくはいった。「その問いに応えはないんじゃないかな。問いその物がすでに答えだから。そんな風に問うことができるっていうことが生きているっていうことなんだよ」。
その学生は今一つ腑に落ちていないという面もちで去っていった。
嗚呼!僕にせめて孔子の爪の垢くらいの見識があったら、もっとちゃんと答えてやれたのに。
正直なところ、私はこのまえがきにほれ込みました。
あまり論語とか、孔子とかは関心がなかったのですが、この哲学チックな話に、ちょっと読んでみようかな・・・と手を出しました。
そういう意味では、このまえがきは、かなり秀逸なのかもしれません。
本書の内容
物語で読み解く論語
実は私はいい中年なのですが、この年になるまで孔子だの論語だのというものにまったく関心をもてずにいました。
しかし、たまたま、渋沢栄一がお札のモデルになるという話があり、渋沢栄一のいう「論語と算盤」なんて言う話があり、
じゃあ論語って何ぞや、という関心は持ち始めていたわけです。
私の印象としては、まあいわゆる道徳。
良し悪しはともかくとして、世間的に「こうあるべきだろう」というもののベースにあるものなのでしょう。
そして、道徳は本質論であり、本質論というのは抽象的でわかりにくい。
そこで本書においては、物語としての流れを重視しています。
解説によると、論語というのは孔子の言動の断片を弟子が書き記したもの。
ということで中身はランダム。
もしかしたら、通しで読むというより、日々「今日はこのページ」なんて言う風に見るのが理解しやすい構成なのかもしれません。
それを全体の流れを意識したつくりにしているのが本書。
きっと少しは読みやすくなっているのでしょう。
読むときのコツは、前後関係とかを気にしすぎないこと。
そもそもこの本は、平易な文章ではあるものの、「論語とはもともとこういう構成ですよ」と言ったことを知っている人に向けて描かれているイメージがあります。
まったく予備知識のない場合は、その構成にちょっと面食らうかもしれません。
一応流れを重視しているとはいっても、一話一話ぶちぎれてますので、「それはそれでいい」という前提で読み進めてみてください。
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