はじめの一行
はじめに
私の人生に幸せなんてない、仕事も人間関係もつらい事ばかり、魔法を使って、私の周りを全部変えてくれなければ幸せなんて絶対にやってこない、なんて思っていませんか?
残念ながら、そう考えている限り幸せも豊かさもやってきません。生きていると、大変なことも嫌なこともあると思います。人生はつらいと感じることも、一度や二度ではなかったかもしれません。
でも、本当は幸せも豊かさもみんなあなた次第なのです。
なぜなら、あなたの心の通りに世界は変化するから。
想定読者への共感というところから、解決策へ。
そんなまえがきのように感じます。
本書の内容
幸福って何だろう
装丁、まえがき、どこを見ても悩める女性向けの本。なのに私(おじさん)が手にとってしまいました。その理由は帯の言葉にありました。
「あなたが幸せかどうかは、現実が決めることではなくて、あなたが決める」
この文章、書く人も読む人もいろんなレイヤーがあると思いますが、考えれば考えるほどけっこう深い言葉です。
というのも、私自身、今年に入って「幸福って何だろう?」というテーマを自分のなかに持っています。たとえば、お金があれば幸せなのだろうか。健康なら幸せなのだろうか。いやいや、人間関係が良質であれば幸せなのだろうか。これ、たぶんない人は欲しいと思うけど、持ってしまった人は「もっと」というマジックにかかってしまう可能性が高いと思います。たとえばお金は、一定レベルの収入を超えると幸福感との相関関係はなくなるといいます。健康は、手にした瞬間、そのありがたみを意識しにくくなります。人間関係もまさにそうでしょう。
そうやって考えて行くと、環境はあくまでキッカケでしかない。
さらに脳科学的に見ていくと、幸せというのは自分が「ああ、しあわせだな」と感じたときにドバドバと幸福ホルモンが出てくるらしい。逆に、典型的な幸せな環境にいたところで、本人が幸せと感じなければ、幸福ホルモンは出ない。となると、一周廻って、人の幸せって何かが必要なのではなくって、自分で自分を幸せだなぁと実感できるかどうかだけなんじゃないかと思うのです。
それを言葉で表すと、本書の帯の言葉になるわけです。
「あなたが幸せかどうかは、現実が決めることではなくて、あなたが決める」
著者がそこまで意図したかどうかはわかりませんが、自分が至った結論が本の帯に書いてあれば手にとりたくもなりますね。
37の問いかけ
本書は薄い本です。100ページに満たない本なので、いわば小冊子のようなものです。
その中に何が書いてあるかというと、若干の説明はあるものの、主な内容は「自分との対話」を促すワークです。それも心理学的に言うと「リフレーミング」に関するところが多いと思います。例えば一番目のワークは、「自分が幸せを感じる物のリストを作ってみる」というもの。そうやって、幸せにフォーカスさせることで、私たちは幸せに関する情報を意識し始め、幸せを実感していく、という流れだと思います。決して難しい内容はないので、幸せという言葉に惹かれる方は、一読されてもいいかもしれません。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
この記事へのコメントはありません。