ビジネス書

カップヌードルをぶっつぶせ!―創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀




はじめの一行

創業者は異能の人。二代目は煩悩の人。創業者と二代目の確執とは、異能と煩悩とのせめぎあいである。

「カップヌードルをぶっつぶせ」
一九八五(昭和六十)年六月、私が日清食品の社長になった時の第一声である。
私は三十七歳。若くてやる気満々だった。
会社は創業以来二十七年がたって、社内には私の大嫌いなセクショナリズムや官僚主義がはびこり始めていた。商品開発も停滞し、革新的な新製品も出てこなかった。

カップヌードルをぶっつぶせ!―創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀(安藤宏基)

インパクトのある言葉でもあり、タイトルにもなった当時の社内キャッチコピーを一行目に持ってきています。
まさに、アイキャッチ。
ここに、古いものをつぶし、新しいものを作り上げるという基本的なスタンスがあり、親である創業者と二代目として自分の足で立つという決意表明でもあるのでしょう。
きっとご本人もお気に入りのスローガンなんでしょうね。

本書の内容

安藤百福氏の知られざる素顔

多くの人の認識として、日清食品創業者の安藤百福氏といえば、ちょっとしたスターだと思います。
近年は伝記になるほどの努力の人であり、即席めんという業界を創り出した偉人であることは、否定の余地はありません。
また、自身の商品には圧倒的な自信を持っており、90歳代まで毎日昼食にはチキンラーメンを食べていたという逸話は結構有名ではないでしょうか。
飽きないし、健康にもいい、という事を身をもって示したとか。
社会にこれだけインパクトを残した人だから、やっぱり素晴らしい人なんだろうという想像をする人が多いとは思いますが、実際身近な人にとっては手放しでそうとはいえる状況ではなかったようです。

たとえば、アップル社の故スティーブ・ジョブズ氏も、目的を達するためには妥協を許さないことで有名で、周囲の社員はずいぶんと泣かされたという話が有名です。
安藤百福氏もまた、成し遂げた偉業は素晴らしいものであっても、人としては、時につきあいの難しい人であったことは否めないようです。

本書の著者、安藤宏基氏は、安藤百福氏の息子であり日清食品の二代目(厳密に言うと三代目)社長。
この宏基氏からみた安藤百福氏が語られていますが、それは仕事に対して忠実である一方、かなりガンコで、周囲に対して時に理不尽にふるまう姿が表現されています。
詳しくは書かれていませんが、わずかな間だけ社長に就任した長男は、短期間で会社を去ったようですが、その理由もまたあるいは百福氏との確執があったのでは、と想像せずにはいられません。

本書は、前半の1/3ぐらいはそういった親子でのバトルについて書かれています。
そんな前提で、頑固な先代とどう接していくかの4箇条など、ご自身の体験から学び取ったことに触れています。

打倒!カップヌードル

ところで、日清食品は、長い間、チキンラーメンとカップヌードルがその売上の中心を担っていたようです。
これらは創業者である百福氏が中心になって開発したもの。
一方、それらの商品が安定して売れるし、先代は社内に対してワンマン経営であったため、社員はみな言われたことだけをこなすような社風になっていたといいます。
しかしこのままでは未来はない、と判断した宏基氏は一念発起し、今の会社を支える中心ブランド、カップヌードルを凌駕する商品を作り上げようと社内にはっぱをかける。
商品開発、マーケティングというところに手を入れるわけですが、そこに際して宏基氏は、社内の組織に手を入れました。

部門間で競争する風土を作り上げようといろいろな施策を凝らしました。

この辺りの考え方は、USJをV字回復させた森岡毅氏と基本的な考え方が同じだ、と感じました。

マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド

 

この辺りの試行錯誤の物語は、なかなかに読みごたえがあり、一気に読んでしまいました。
また、社内改革、組織改革をやりたい、とかんがえる人には宏基氏がたどった道筋はかなり参考になるかもしれません。
ちょっとギスギスしないかな、とか、勝手な心配を刷る部分もありましたが、会社として次々とヒット作を生み出している状況を見るときっとうまくいっているのでしょう。

親子で経営を継承しようとする後継者や、組織の中間管理職の方には参考になる内容だと思います。

 

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

 

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