はじめの一行
神田昌典氏からの挑戦状!?
本書はこんな書き出しから始まります。
生き残るためには、売上計画の桁を一つ増やしなさい!
死に向かう更新から、離脱せよ
本書には、「生き残るための経営ヒント」という副題がついてはいるが……、誤解しないで欲しい。
じつは、本書の内容は「生き残ろうとするマインド」からは程遠い。
正直にお伝えすれば、生き残りをかけて頑張ろうとする会社は、残念ながらまず生き残れない。その思考自体に、生き残れない原因があると、私は考えている。
なぜなら、過去からの延長線上の努力をすればするほど、あなたの会社は辛く苦しくなるからだ。
だから、生き残るよりも、もっと賢い方法を、これからお伝えしたい。
生き残るためのヒントと副題で提示し、しかし、それではだめだという。
あげて落として、また上げて・・・となんとも読者は忙しい(笑)
このパターン、著者の特徴の一つかもしれません。
もともと、著者の講演を聞くと、たしか「生き残りをかけて」みたいな言葉は好きではない、と言っていたような気がします。
とはいえ、読者のマインドに近づく言葉としてそんな言葉を出しておいて、自身の考え方を語る。
そんなパターンなのかもしれません。
しかも、売上計画の桁を増やすことと、生き残りというまったく相反する話にちょっとしたアンバランス感を感じることもあるかもしれません。
色々と狙ってる感じの書き出しですね。
本書の内容
会社が最速で変わる7つの戦略とは?
この7つの戦略、項目としてはAmazonの紹介文に掲載されています。
1.「プラットフォーム化」によるビジネスモデルの構築
2. 教育プログラムをプラットフォームに組み込む
3. 数多くの試行錯誤を短期間に積む
4. 「Read For Action」によるイノベーターの育成
5. 業界をブレイクスルーする技術を開発する
6. 分業をパッケージ化して提供する
7. 秘められた人材能力の開発で組織を活性化する
これを見ると、なかなか具体的な提案に見えます。
多くは、事例とともに紹介されており、非常にわかりやすい内容だと思います。
マーケッタ―として有名な神田氏ですが、内容はどちらかと言えばビジネスモデルの話が多いように思います。
マーケティングとビジネスモデル構築は不可分
マーケティングとビジネスモデルの構築、ここにギャップを感じる人がいるかもしれません。
しかし、マーケティングを勉強していくと、結果としてビジネスモデルの作りこみに手を入れざるを得ない、というのは私の個人的な感覚です。
ここから、本書の内容とは少し離れます。
たとえばはじめのうちは、広告文やセールスレターの最適化から入っていく方が多いと思います。
しかし、やってみてわかるわけです。
それで獲得できるリード(見込み客情報)は、たかが知れてるわけです。
書けた広告費を補って、会社を潤すほどにはお客さんは集まらないことが多い。
すると、次に何を売るか、どうお客さんとの関係を深めていくかを考えざるを得ないんですね。
そこまでいっちゃうと、もはやビジネスモデルの領域なわけです。
で、気が付いたら、ビジネスモデル構築に手を入れていた・・・と。
読書会という社内を団結させる技術
本書の話に戻りましょう。
4つめに、ReadForActionという読書会について紹介されています。
これは、神田氏が主宰する読書会ネットワークですが、これをソニーあたりが社内で開催していい感じになったそうです。
技術、マーケティング、営業、企画、といった違った部署、違った専門分野を持つ人たちが集まり、読書会を開催する。
そういった事から共通言語が生まれ、会社のマネジメントにも非常に寄与する、と。
実は私もそのファシリテーション資格を取りましたが、社内ではさすがにやってません(笑)
神田氏肝いりの読書会フォーマットのようなので、今後また盛り上がってくるかもしれませんね。
ちょっと注目しておくのがいいかもしれません。
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