久坂部羊

破裂〈下〉




はじめの一行

下巻

本作は、以前ご紹介した本の下巻ということですので、はじめの一行の引用はやめておきます。
本作のはじめの一行をお読みになりたい方は、以下をご参照ください。

破裂〈上〉

本書の内容

「痛恨の症例」から医療訴訟へ

上巻の始まりは、「痛恨の症例」。
何かというと、医師が手術などの現場で起こしたミスをルポライターが取材していたわけですが、江崎という麻酔医がそれに協力していました。
江崎は正義感が強く、自分の立場が揺らぐリスクを冒しても、そういった取材の協力を行っていました。

その痛恨の症例の取材がある程度進んだときに様々な問題が発生し、その取材を進めることが困難になりました。
一方で、そこから出てきたある医療訴訟に江崎は協力することになる。
また裏では、高齢者医療についての裏の大改革を行おうとする官僚佐久間のたくらみでほんろうされたりもします。

・・・ということで、下巻に入ってけっこうな勢いで話は広がり、収束していきます。
まあこれ以上お話しするのは重大なネタバレを含みそうなのでやめておきますが、かなり話はドロドロになっていき、手に汗握る展開も期待できます。

著者の問題意識

たとえば、以前ご紹介した『廃用身』でもそうですが、日本の高齢化とその医療制度について色々と深い思いを持っているようです。
官僚佐久間の口を借りて、日本の高齢者医療の問題について、かなり厳しい見方が語られます。
廃用身も、本作も、高齢者の「負担を減らし」つつ医療費の抑制をする、というコンセプトは同じですから、著者ご本人の思い入れも一定程度あるようにも思います。

廃用身

さて、久坂部羊氏はご本人、医師であるようです。
それだけに良くも悪くも、そういった医療現場の描写のリアリティはぴか一ですが、今回は法廷での手に汗握る戦いが描かれています。
正しいかどうかはよくわかりませんが、恐らく、様々な資料やインタビュー、そして傍聴されたうえでの執筆ではないかと思います。
そういったご苦労の末、少なくとも私のような素人からすればかなりリアルな描写がなされているように感じました。

リアルゆえのグロテスクさは無きにしも非ずですが、そういったリアルに起こりそうなサスペンスをお望みの方にはお勧めの一冊です。

 

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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