目次
はじめの一行
はじめに
レガシーという言葉にどんなイメージを持つだろうか。
辞書をひいてみるとレガシーとは、「遺産」や「先人の知恵」といった意味を持つ言葉とされている。
しかし、ビジネスの文脈では「負の遺産」という否定的な意味でつかわれることが多い。
たとえば、レガシーシステムは古い技術で構築された企業のITシステムのことを指す。
本のタイトルの由来説明から始まるという本書。
この中には、今ではあまりいい印象を感じさせないレガシーという言葉の中に、過去の良さを見出すといった意味合いを含めているのかもしれません。
本書の内容
著者のサクセスストーリー
本書の内容をひとことで言うなら、著者の事業承継物語。
それも、親との確執を描くような泥臭い話ではなく、古い家業をどのように近代化していったか?ということがテーマです。
どうやらここには古参社員もいないようなので、そういった親や古参社員との人間関係のグチャグチャを解決する糸口とするにはあまり参考にならない本だと思います。
どちらかというとテーマは、古臭い業種のイノベーション。
それも抽象化した形でのかきぶりではなくご自身の体験談を追っていくような構成になっています。
だから逆に、応用しやすいんじゃないかと思います。
比較的細かに、著者がたどった思考の変化だったり、トライ&エラーを語ってくださっているので、「ああ、古い業種を変えていくなら、こう考えればいいのか」というヒントになるんじゃないかと思います。
ドラッカーの「マネジメント」と合わせて読むと理解しやすい
さて、本書ですが、著者がたどった道のりは、実はドラッカーの「マネジメント」を合わせて読むととてもスッキリ理解できるような気がします。
ご本人は中小企業診断士でもあるということで、マーケティングの4P(Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(プロモーション))をベースに説明してくださっていますが、ドラッカーの「マネジメント」におけるイノベーションとマーケティングの項目を読むと、ああ、なるほど、と理解出来たりします。
そう言う意味では意識してなのか無意識なのかはわかりませんが、著者はしっかりと定石を踏んで会社を変化させていっているように思えます。
この過程は、多くの中小企業の後継者にとって役に立つものではないかと思います。難しい理論が先行しているわけではなく、実践が時系列に記されているので応用もしやすいように思います。
これから会社を変えていきたい。そんなリーダーの参考書の一つとしていかがでしょうか。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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