ノンフィクション

心の絶対法則 なぜ「思考」が病気をつくり出すのか?

はじめの一行

はじめに

これまで40冊以上の本を出版してきたが、一冊を自分で書くのは久しぶりだと思う。とはいっても本作には土台がある。2016年に発刊された「巨悪の正体~あなたはなぜカスなのか~」である。本書は私が書いたものとしては後半に描かれた本であり、書くテーマがあまりなくなってしまってから書いた本である。ネット内を中心に著書や講演や動画が増えたこともあって、多くの人が私を知るようになったが、私はテレビにも新聞にも雑誌にもラジオにもほとんど出てこない。

心の絶対法則 なぜ「思考」が病気をつくり出すのか?(内海聡)

このあと、自分はトンデモ扱いされている人の代表格だ、と続きます。
世間も自分もなんだかバッサリ切るあたり、この方らしいふるまいなのだと思います。はじめには、特に売り込み臭を出すわけでもなく、淡々と本書のなれそめを描いている印象があります。

本書の内容

心の絶対法則を知ることで真実が見えてくる?

本書には、著者である内海聡氏が独自に発見・体系化した法則が解説されています。人はその法則にのっとって動き、社会もまたその法則から逃れられないといいます。つまり、逆に言うと、この法則を知っており、活用できるようになれば世の中で怒っていることの裏側もしっかりと見えるようになるといいます。本書を手に取った時の印象だと、いくつかのコアな法則があるという勝手な想像をしておりましたが、目次を見てびっくりしたのは結構たくさんの法則があるようです。これらを意識することで世の中の見え方が変わるかもしれません。あるいは、表向き流布されている情報と現実のギャップに気づきやすくなるのかもしれません。

心の絶対法則

本書に挙げられている心の絶対法則についていくつかを要約してみます。要約ですので正しいニュアンスが伝わるかどうかは未知数ですので、おや、と思われる方は是非本書を手に取っていただきたいと思います。

事実観察の絶対法則

人の言葉は常に嘘で塗り固められていて、大事なのは行動を見ることである、と本書は言っています。それは私も賛成で、実は人は無意識に言ってることとやってることが違うことがあります。それは自分で嘘をついているつもりはないのだけど、無意識はある行動をするけど、意識は違うことを考えている、というギャップが常にあるから。これらのことは心理学論文などからエビデンスをいくつでも拾える話だと思います。
この絶対法則を知る中で、リアルな社会の中でいろんな経験をしていくとこの絶対法則はなるほどただしそうだという思いが強くなってきました。たとえば、相対して話をしているとき、その話題から逃げ題したいとか自分に苦手意識を持っている人のつま先はこちらに向いていない、なんていうことが言われたりしています。なるほどこれも、言葉より行動が正しいという証明かも知れないと思いました。言ってることとやってることが違う人の本心は、やっていることにあるということを知ることはとても大事だと感じる今日この頃です。

周波数の絶対法則

すべての物質は波の塊であり、波である以上底に周波数が生じる。それを活用したのが量子医学ということ。

トラウマとジレンマの絶対法則

幼いころの精神的ショックはトラウマとして深層心理に閉じ込められる。そしてジレンマは相反する表と裏の心を表す。裏の感情が原因となる。つまりそこにあるトラウマとの関連であるということなのだと思います。私の個人的な考えですが、このトラウマというのは大人からすれば何でもないことでも、子供のころに受けたショックはそのショックの大きさだけが心に残っているような気がします。親や友人から言われた何気ない言葉が、子供の心の傷として残っている可能性はとても高いと感じています。

転写の絶対法則

人の問題行動の奥にこの点者が潜んでいることが多いものの、本人はそれを自覚できないことが多いようです。例えば虐待されて育った子供は、自分も虐待をしてしまいがちということを表しているのではないかと思われます。

支配欲の絶対法則

支配欲というのは人間の根源的欲求であるといいます。奴隷でさえ、さらに下のものを奴隷にしたがるのが人間。

全人類アダルトチルドレンの絶対法則

毒親という言葉があるように、親の過干渉からアダルトチルドレンが作り出され、私たちは物事を自分で決められなくなってしまっている。私個人的には、上の支配欲の絶対法則と対になる法則かもしれないな、と感じます。

 

・・・ということでいくつかをピックアップしてみましたが、この後もたくさんの絶対法則があります。これらを知り、組み合わせ、状況に応じてこれらの知識をベースで判断することで世間に流布する嘘は見抜けるようです。著者は陰謀論なども一部は肯定しつつも多くは否定的。また、スピリチュアルな要素においても明言は避けているものの、ある部分においては認めているような雰囲気もあります。そういう意味では、何かの派閥に属するというでもなく、自身での判断というのを大事にしてこられた方なのだろうと見受けます。

ただまぁ、書き方というか、ちょっと口が悪いところがあるので、読んでいて気分が悪くなる方もいらっしゃるかもしれません。そういったことを含み置いたうえで手に取ることをお勧めします。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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