ビジネス書

小説家になって億を稼ごう

はじめの一行

はじめに―――小説家が儲からないというのは嘘

ユーチューバーを目指す小学生も減少傾向にあります。動画配信すら打ち出の小槌ではないと判明しつつある現在、同じく一人で創作に勤しむ「小説家」という職業があります。いまだ文章表現だけを武器に、読者の感情を動かそうとする小説は、時代遅れなのでしょうか。

出版不況もあり「売れない」「儲からない」という嘆きを、業界内からも耳にします。今時専業作家など成り立たないとも言われます。
けれどもこれは事実ではありません。

小説家になって億を稼ごう(松岡圭祐)

今、仕事というのはずいぶんと一時と比べて柔軟性が出てきています。その代表選手がユーチューバーでしょう。しかしそれもだんだんと過当競争になってくると古くからあるものに立ち返ることもあるでしょう。著者の松岡圭祐さんは次々とヒットシリーズを生み出す小説家です。そして、本書のまえがきは、氏が初めて収入が億越えになった時の税務申告書類の写真が提示されています。そんなインパクトのあるまえがきですが、地味に見える小説家も意外と悪くないよ、という書き出し。

本書の内容

小説家によるビジネス書

近年ビジネス書がそこそこの市場になってきているのでしょうか。芸能人的な人やらが次々と本を出します。しかしこの本が面白いのは、小説家として一定の地位を築いた作家が書くビジネス書。小説家になるための本ではなくて、小説により億を稼ぐということがテーマ。結構いろんな小説家が小説家になるための本を出していますが、本書は小説家になるのは目的ではなく、手段ということ。それを用いて億を稼ぐ方法を指南してくれます。

想造

本書のはじめのテーマはやはり創作です。どうやって小説を書くかが説明されています。本書が提示する小説の書き方は独特で、まずはメインキャラ数名と、サブキャラ数名を創り出します。イメージしやすいように、芸能人の写真などを使ったプロフィールシートを作ります。キャラ一人につきA4用紙1枚。そして、小説の舞台になるであろう風景を三つほど考え、そのイメージに近い写真をネットからダウンロードし、印刷して張り出します。そのキャラクターのプロフィールと、舞台写真を数日眺めると、だんだんとキャラクターが活き活きと動き出します。そうして頭の中であらすじを作りこみます。本書では、入り口のアイデアが出た時点ではまだ描き始めてはいけないと言います。とにかくあらすじが完成するまでは、紙に向かわない。それを徹底することを強く勧めています。

そのあらすじを作る過程で、動きにくかったりあわないキャラがいるなら、そのキャラを入れ替えたりして作り変えます。舞台も同様でいろいろ差し替えて見てしっくりくるところまで行きます。こういったあらすじの作り方を、著者は想造とよんでおり、ここをしっかりすることで作家の個性が反映された作品になっていくのだと言います。

あらすじだけではなく小説を完成させよ

たいてい、出版社に連絡すると「まずはあらすじを見せてくれ」と言われるそうですが、本書ではあらすじだけではなく完成原稿を一緒につけるべきだと主張します。先方は忙しいので、とにかくあらすじを見て判断することが多いのですが、そこに完成された原稿があるのないのとでは印象が大きく違うと言います。あらすじで少し気になればパラパラとめくれる本文があれば、その存在感は圧倒的だと言います。

本書ではそういった、出版社への売り込みについて細かく記されています。出版社における編集者の立ち位置や、彼らの習性。あとは出版契約における注意点。少しはやいのでは? と思えるような、映像化における注意点や、ヒット作ができてからのふるまい方まで。まさに、億を稼ぐ、いえ、億を稼ぎ続ける作家としてのふるまいを広範囲にわたって教えてくれる一冊です。予期につけ悪しきにつけ、「ちょっと書いてみようか」なんて思わされる一冊です。

実際に小説家になりたい人はもちろん、松岡圭祐氏の小説をよく読まれる方なら、こんな風にあの物語ができたのか、なんて感慨にふけることもできそうです。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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