はじめの一行
はじめに「幸せ」とは何か?
幸せになりたいですか?
ほとんどの人は、「はい」と答えるでしょう。
では、あなたにとって「幸せ」とは何でしょう? どんな状態になったら「幸せ」と言えますか?
「えーと……」ほとんどの人は口ごもります。間髪入れずに答えられる人は非常に少ないはずです。
「幸せとは何か?」が、ハッキリしない状態で、幸せになることができるでしょうか? 「目的地」を決めてもいないのに、「目的地」に到着することはありません。
さて、いきなりの呼びかけが「幸せになりたいか?」というお話。
なんともキャッチーですね。
実は私自身もずっと考えていた事なんですが、多くの人が幸せという言葉を口にし、それが良いものであるという認識を持っているのですが、幸せというものを本質的に説明したものって案外ないんです。辞書で調べると、幸せは幸福で、幸福は幸せ、なんていう風に堂々巡りするような書きぶり。
分かっていそうで分かっていない「しあわせ」の正体を冒頭で明らかにしています。
ああ、そういうことか、ひざを打った人は、この先を読む以外の選択肢はなさそうですね。
本書の内容
脳内の幸福ホルモンから見た「幸せ」
本書の著者は精神科医。そういった専門分野の知見から幸福についてを論じています。
幸福を三段階でとらえ、
心と身体の健康(セロトニン的幸福)
つながり・愛(オキシトシン的幸福)
お金(ドーパミン的幸福)
といったものに分けて解説しています。
これらがピラミッドをなしていて、比較的下位(セロトニン的幸福)から順に、満たされていくという順番が一般的であると言います。
そもそも幸福というのは、お金があるとか、物事がうまくいったとか、そういった外部的な刺激は要素の一つというか、スイッチでしかなく、幸せは人の脳内で起こっている、というのが本書のスタンスだと思います。
これは私の個人的経験ですが、例えば最近は虹がよく出るという状況があったとしましょう。
それを見て、「いい事が起こりそうだな」という事を感じる人もいれば、
「もしかしたら大災害の予兆かもしれない」と感じる人もいる。
だから何が起こっているかはあくまできっかけでしかなく、それをどうとらえるかが大事である、という前提をとっていると思います。
その前提の上で、セロトニンを分泌させるにはどんな行動をすればいいのか、オキシトシンは、ドーパミンは?といったことを教えてくれます。模範的な一日のルーチンなどについても解説されています。
つまり、それを参考にすれば、幸せホルモンがいっぱい出て、脳内がお花畑になり、幸福感を常に感じながら生きることができますよ、というのが本書のメッセージです。
日々の習慣に組み込む
さて、具体的な内容については関心のある方は本書を読んでいきたいのですが、一部をピックアップしてみますと。。。
たとえばセロトニンの分泌に際しては、良い睡眠と朝の散歩。そして内面をひとりごとで語るなどのアウトプットがけっこう効くようです。そんなことから、3行ポジティブ日記をすすめています。朝起きてからの一連の1時間程度のルーチンが本書の中では提示されています。
オキシトシンに関してはスキンシップが大事であったりするとか。
一番難しいのがドーパミンかもしれません。ドキドキするようなスリルを楽しむところが本文ですから、とにもかくにもコンフォートゾーン(自分の居心地のいい場所)を出るという冒険が必要になります。
いずれにせよ、朝早く起き、日光を浴び、日記を書き、スキンシップや人との交流を楽しみ、いつもとは違うチャレンジをするよう意識し、運動する。つまり、そこそこいろんな刺激を受ける日々というのが大事だということではないかと思います。逆に言うと、よく言われる「何もないことが幸せ」という意見とは少し違うのかな、と思います。
日々の人生をより濃く楽しみたい方は、ご一読をお勧めします。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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