目次
はじめの一行
まえがき
欲張りかもしれませんが、私は世界のしくみがどうなっているかをすべて知りたいと思っています。
このようはどうして存在するのか?
私たちはなんなのか?
こういった事柄です。
大学は理科系でしたが世界のしくみに興味を持った私は、文科系の宗教学講座をほとんど受講しました。それでも私は納得する答えを見出せませんでした。根底に紙のような存在を置かないと説明できない世界は、本当の世界ではないような気がしたのです。
著者の切実な思いから始まるまえがき。初めてこの著者に触れる本がこれだとすると、何となく引き込まれていく話じゃないかと思います。一緒に探求の旅に出よう、なんて誘われているような気がしますがいかがでしょうか。一方、森田健さんの本をいくつも読んできた人からすると、ああ、また言ってるって感じでしょうか。良くも悪くも言ってることが一貫してます。このまえがきに共感した方は、中身について、読み進んでいきましょう!
本書の内容
体外離脱と心霊治療
森田健さんは世の中の仕組みを知るために、不思議研究所なるものを立ち上げます。従来の化学の範疇で解明されているものとは違うアプローチで、世の中の法則を探るというコンセプトなのだと思います。そのためには今まで科学の世界が不思議現象について研究することが大事だと考えたのだと思います。その不思議現象についても、何かのジャンルに特定することなく、まずは固定観念を持たず広く追及していくという方法をとられたようです。本書を読むとわかるのですが、そういった一つ一つの研究は関連性がないように見えて、森田氏の考察の中ですべてつながっていくようなのですが。まさに、故スティーブ・ジョブズ氏の言うコネクティングドッツというやつなのでしょう。
まず、本書は体外離脱の話から始まります。アメリカのモンロー研究所というところでは、特殊な音響技術を使うことで人の意識を体外に離脱させるといいます。森田氏はそこへ行き、体外離脱を体験します。自分の肉体を抜け出した魂で、遠く離れた日本の家族のところを訪れます。しかし不思議なことに、時計はアメリカとの時差を差し引いても、1時間過去に来ています。おなじように体外離脱した仲間は「二日後の新聞を見てきた」なんていう人もいて、不思議な印象を得ます。このことから森田氏は、様々な時間の世界が同時にあるという直感を得ます。多次元宇宙という概念は学術的な研究になっているようですが、まさにその様子を身を持って体験されたようです。
一方、森田氏はフィリピンで心霊治療による実験も行いました。かつてテレビでもブームになった心霊治療。これを解明するために現地に飛んで数々の実験を行います。その一つが発信機の埋め込み実験。電波を発する機械を、心霊治療でお腹に埋め込むのです。それをやってみると、お腹に埋め込まれた瞬間、電波をロストします。施術者がポケットに隠しても、電波は発信機がどこにあるかを教えてくれるはずなのに、電波が届かない。レントゲンを撮ってもお腹には見当たらないのです。そして別の心霊治療家に取り出してもらうと、ちゃんと元のまま出てくる。出た瞬間、電波が復活するのです。これを経験して森田氏は、心霊治療というのは体ではなく、空間を割いて、別次元の世界にある原因を治療しているのではないか、という仮説を立てます。
未来を変える方法
本書では森田健氏の伝家の宝刀六爻占術の話はあまり出てきません。彼は、この占いが90%以上の確率で当たることから、未来は決まっているという考えを持ち始めます。ただ、決まっている情報は本書ではせいぜい三日後くらいまでといいます。そして運命を変える二つの方法を提案しています。
一つは問いを発すること。祈りではなく、問いを発することです。
もう一つの方法は、私たちが時空と一体になること。
もう少しいうと、ユングの言う集合的無意識につながること。
それは「私は誰でもない」と思うことなのだといいます。
これは逆に言うと、自分はなんにでもなれる存在だということに気づくということ。自分の制限を削ぎ落していくと最後は時空と一つにならざるを得ない。
森田健氏は時空もがんじがらめの世界から、一歩ずつ自由になりたいと思っていると考えているようです。
そんな提案が私たちからできるといいのかもしれませんね。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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