ビジネス書

THE CATALYST 一瞬で人の心が変わる伝え方の技術

はじめの一行

Prologue 人の心を動かすカタリストとは

グレッグ・ヴェッキはFBIの捜査官だ。
専門は違法薬物の取引、マネーロンダリング、恐喝など。彼が追う人物の多くは筋金入りの犯罪者で、かなり暴力的だ。メデジン・カルテルにヘリコプターを売る人物もいれば、ロシアの潜水艦を中古で購入し、コロンビアからアメリカにコカインを密輸している人物もいる。

THE CATALYST 一瞬で人の心が変わる伝え方の技術(ジョーナ・バーガー)

ビジネス書らしき本書、それも人の心が変わる伝え方の技術なんて言う本の一番初めに、FBIの捜査官なんて言う場違い感のある登場人物。この違和感に何となく吸い込まれてしまう本書。本の内容と少しずれてそうな物語から始まる形の本は海外では結構よく見かけます。本書もそんな一冊で、このあと、人質交渉人の話に流れていきます。そこまできて、なるほど、と私は思ったわけです。

本書の内容

強制しても人は変わらない

身近な人、例えば親や子、兄弟や親せき、あるいは部下や上司、先生やチームメンバー。こういった人たちを変えたいとか、こういった人たちが自分が思うような行動をしてくれるようになってほしいとか、そんな思いを持つことはだれしもあると思います。そういう時にどんな風な働きかけをするでしょうか。立場にもよりますが、相手にそういった行動を矯正したり、あるいは頼み込んだりすることもあるかもしれません。そしてそれがうまくいくかというと、なかなか難しい。相手を高圧的ににらみつけても、思ったほど良い結果が出ないのが普通です。

本書では、人の行動にも「慣性の法則」が働く、といいます。動いているものは動き続けようとします。それも、同じ方向に向けて。つまり人は、特別な力がかからない限り、今までやっていたことを繰り返し行うという行動を基本とりがちです。それを変えるというのはなかなかに難しい行為なのです。そういった相手に、「強制」の力をくわえても、表層部分にしか到達しません。

冒頭の、人質交渉人が何をするかというと変化の触媒になるということなのだそうです。相手が変わる障害を取り除いてやること。それこそが人の変化を促す最も近道となる方法なのだそうです。

行動を阻害する要因とそれを除去する方法

本書では5つの方法・考え方が提示されています。
まず一つ目が、「心理的リアクタンス」。心理的リアクタンスとは、「何かを選択する事由が外部から脅かされたときに生じる、自由を取り戻そうとする反発作用」です。そもそもこういった機能が備わっているため、単純に矯正すると、そこに反発作用が出てくるわけです。強く強制すればするほど、心理的リアクタンスは強く出るため、これが発動するのを阻止しなければなりません。

二つ目は保有効果と呼ばれるもの。これは、すでに持っているものを手放したくない、という態度。これを破るためには、「行動を起こさないことのリスクを相手に気づかせる」ことが重要だといいます。さらに、人を動かす時には、動くことの利点が動かないことのマイナス店よりも2.6倍大きくなければならないということが記されています。

三つめは心理的距離。新しい情報が自分の理解を越えている時、その情報を与えられる最初から拒否反応が出ます。それを回避するために、小さなお願いから始めるというテクニックが解説されます。

四つ目が不確実性。何か新しい商品やサービスを目の前にしたとき、人はその不確実性に新しいものの導入にちゅうちょする。それを避けるためには挑戦しやすい環境を整える、例えば無料お試しのようなものが有効であるといいます。

五つ目は補強証拠。たった一人からのアドバイスでは信用できないことも、違う人から言われるとそうなのか、と納得しやすくなります。

これらの特性を理解し、うまく「とどまろう」とする気持ちをいなしてやれば人は変化を始める可能性が高まるようです。組織マネジメントや日頃の人間関係、チームビルディングなど様々な分野で使えそうな知識が満載です。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

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