小説

マスカレード・イブ

はじめの一行

1

午後六時を過ぎたころから、フロントにやってくる客が増えてきた。ほとんどがビジネスマン風の男性だ。この時間帯にチェックインをする客は概して表情が明るい、というのは上司であるフロントオフィス・マネージャーの説だ。商談なり営業なりの仕事が順調に片付いてなければ、こんな時間にホテルに来ている場合ではないはずだから、というのがその理由だった。次々にやってくる宿泊客の顔を眺めているうちに、その節はある程度あたっているかもしれないな、と山岸尚美には思えてきた。

マスカレード・イブ(東野圭吾)

ホテルのフロントマンというのは、いろんなお客様の背景をいつも見ている。そういう伏線になっている感じかもしれません。
へー、そうなんだ、と思いつつ、感心しながら内容を読み進めました。

本書の内容

マスカレードホテルの前哨戦

タイトルが示す通り、本書は『マスカレードホテル』の前哨戦。

マスカレードホテル

マスカレードホテルで大活躍する、ホテルマンの山岸尚美の刑事の新田。
この二人は本書ではまだ出会わないのですが、けっこうなニアミスを本書で起こしております。

本書は短編集という感じになっています。

第1話『それぞれの仮面』
山岸の元彼登場。部屋から消えた女を探せ!
第2話『ルーキー登場』
ホワイトデーの殺人。新米刑事・新田が捜査。
第3話『仮面と覆面』
謎の“女流作家”の秘密をファンから守り抜け!
第4話『マスカレード・イブ』
舞台は東京と大阪。准教授の鉄壁のアリバイ。

まだ新米の新田刑事はすでにきらりと光る素質を表し始めています。
一方、山岸尚美の方もその戦闘能力の高さの片鱗を見せていたりします。

時間軸的には、あのマスカレードホテルよりも過去の話ではありますが、読む順番としては個人的にはマスカレードホテルで双方の活躍を見たうえでこちらを読まれる方が、楽しみやすいんじゃないかと思います。というのも、本書では、中心となる山岸も、新田もその生い立ちや人間性を示すエピソードは限定的です。そちらはむしろ、マスカレードホテルの方が充実してますので、そちらで人物像に共感したうえで本書を読んだ方が深みを感じるんじゃないかなー、というのが個人的感想です。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

 

Amazonでのご購入はこちら

TIME SMART(タイム・スマート): お金と時間の科学前のページ

悟りを生きる ― 非二元へのシンプルなガイド次のページ

ピックアップ記事

  1. ある犬のおはなし
  2. 脳は「ものの見方」で進化する
  3. 成長マインドセット
  4. はじめに
  5. 残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

関連記事

  1. 小説

    6時間後に君は死ぬ

    はじめの一行あれっ!?鮮烈なタイトルですが、本…

  2. 七尾与史

    死亡フラグが立ちました! ~カレーde人類滅亡!? 殺人事件

    はじめの一行【陣内トオル】冗談みたいな話だが、…

  3. 小説

    万能鑑定士Qの事件簿X

    はじめの一行終焉夜間に駐車中のバンの中、明かり…

  4. 小説

    リアルフェイス

    はじめの一行プロローグ暑い、……そして痛い。軽…

  5. 小説

    催眠 完全版

    はじめの1行テレビ中継降りしきる雨が、窓ガラス…

  6. 小説

    新帝都物語 維新国生み篇

    はじめの一行発端それは、会津の村人が始めてみる…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。







  1. アンドリュー・スコット

    LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
  2. ビジネス書

    リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術…
  3. ビジネス書

    自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術
  4. ビジネス書

    益源―経営は必ずここに帰る
  5. 佐藤青南

    行動心理捜査官・楯岡絵麻 vs ミステリー作家・佐藤青南
PAGE TOP