はじめの一行
お客を爆発的に増やす実証済みのテクニック
この本は、私が開いたセミナーを忠実に再現したものです。
私のセミナーは「特別」でした。何が特別かというと、まず、私自身が宣伝と広告文を書く実践家だという点です。
教育者でもなければ、コンサルタントでもありません。マーケティングという大きな賭けをし、給料を払わなければならない身です。現場の最前線で、自分の書くコピー、自分の下す判断が市場に受け入れられるように日々奮闘していたのです。
だいたい、コピーライティングの本は、まえがきの引力が強いものが多いです。
本書はまえがきにつけられたタイトル、「お客を爆発的に増やす実証済みのテクニック」というところがやっぱりキャッチコピーとしての、強い引力を放っているように思います。
この後結構いろんな人が使う表現ですが、爆発的って何ですか!って感じですね。
実証済みって、なんだか信用できそうな感じですね。
そんな風に、一言一言に注意を向けて書かれているように思うのです。
まえがき本文では、いかに本書が実戦として使えるかを解いているようにも思えます。、
本書の内容
セミナー内容を紙上に再現
本書の構成はまさに冒頭にあるように、かのジョセフ・シュガーマン氏が行っていたセミナーを紙上に再現したもの、といった感じです。
とはいえ、セミナーの臨場感をそのまま伝えているかというと、そこは本なので、本としての整い方をしていますから、セミナーそのものということはいわれなければ気付かないくらいです。
で、何を言っているかというと、一つは名言、一行目の役割は二行目を読ませることにある、というお話。
広告コピーは、人の目を引き、伝えたいことを余すところなく伝えるために、夢中になって読み進めていただく必要があります。お客さんが途中で離脱しないよう、しっかりと順序だてて、お客様の心の動きに対応するような順番で物事を伝えていきます。
たとえば、ある事を言いきったとします。
それを読んだときにお客様の頭の中に浮かぶ疑問をあらかじめ予測して、その疑問に答えるような内容を文書に入れていく。
疑問→解決→疑問→解決を繰り返していくうちに、お客様はその文章への共感を深めていきます。
そして、今その商品を買うべき理由が伝わった時、人は購買行動に入ります。
当然その時には目に入る場所に申込方法は用意されているべきであり、さらに言うならお客様の背中を押すようなたとえば限定であったりといった情報を配置しておく。
そういった流れと、いくつかの具体的なテクニックについて詳しく解説されています。
神田昌典さんが提唱したPASONAの法則のように文章の順序を整理していないのは、恐らく自由度を優先させたからだと思いますが、本書の知識とPASONAの法則を学ぶと、ぐっとコピーライティングの幅が広がるんじゃないかと思います。
事例
本書の中では実際に上手くいったコピーの実例がたくさん乗せられています。英語のキャッチコピーを日本語にしている関係でちょっと意味不明だったり、時代感から今ひとつピンとこないものもあったりはするのですが、雰囲気をつかむ助けにはなりそうです。
Amazonの書評を見てみると、けっこう厳しい評価も多くあります。
というのも最近はもっと情報が整理され、画一化されたコピーライティングの本がたくさん出ていますから、それから比べると実用性が低いという意見です。
まあ原著が発表されたのが、1998年のようですからそれからのコピーライティング業界の情報の広がりはけっこう速かったように思いますが、個別具体的な記述については少し古さを感じる部分もないとは言えないとは感じることもあります。
ただ、やり方を学ぶというより、向かう方向性を学ぶという意味ではけっこう参考になる一冊だと思います。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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