目次
はじめの一行
はじめに(神田昌典)生きる力の源泉となる、すべての社会人のための国語力
コピーライティング技術とは?
申し訳ないが……、
人生は不条理の連続だ。
「なんで、あいつが、頑張っている自分より、高収入なんだ?」
「なんで、あいつが、ちやほやされ、自分には誰も振り向かないのか?」
「なんで、自分が、大切な人を失あなければならないのか?」
「なんで、自分が、深刻な病に苦しまなければならないのか?」
「なんで、政府は、格差を放置し続けるのか?」
本書は、コピーライティングの本だけあって、すべての内容の中にその技術が使われています。
とくに、本書の執筆者の一人、神田昌典さんは本でいう「ツカミ」にあたるまえがきには相当なこだわりを持っているように思います。監訳書でさえ、自身の前書きを入れるくらいです。この本はまさに、コピーライティングのお手本となる前書きでないはずがありません。
ということで、これはまずは読者の問題を明確化する部分。
セールスレターが顧客の課題解決を提案する手紙であるわけですから、ほんとて同じということでここに読者が持つであろう課題を列挙するところから始まっています。
本書の内容
伝説の3大セールスレター
本書はまずはコピーライティングがどのようにして会社の売り上げやビジネスモデルに貢献していくかの概説を行う章から始まります。そこそこダイレクトレスポンスマーケティングを知っている人なら飛ばしてもさほど問題はないとは思われますが、結構面白いので私は食いつきました。なぜなら、伝説の3大セールスレターについて取り上げているからです。
3大セールスレターについてはご存じでしょうか?一つ目は、ピアノコピーと呼ばれるもの。「私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。でも、弾き始めると---!」という見出しから始まるもの。どちらかというと、バカにされてるように笑われた主人公。この人がピアノを前に引き出すと、人々は沈黙し、やがて拍手喝さいを送ります。楽器の講座の案内なのですが、ドラマチックな展開が読む人を惹きつけるセールスレター。
二つ目が、「英語の間違い」と呼ばれるもの。あなたは英語の勉強で、こんな間違いを犯してませんか?という問いかけから始まる広告で、40年間にわたって使われ続けたそうです。
そして三つめが、「二人の若者」と呼ばれるもの。いろんなところで引用されたり、もろパクリしてるセールスレターもよく見かけるので、なじみのあるものです。内容は、生まれも育ちも教育もよく似た二人の若者が、25年後に再開します。一人は社長になっており、もう一人は管理職どまり。この二人の明暗を分けたのは、ウォール・ストリート・ジャーナルを読んでいるかいないかの違いだった、ということで新聞購読を促すもの。
このセールスレターについて、2章以降で様々な解説がなされますが、その内容が非常に興味深いものでした。
BTRNUTSS(バターナッツ)でインパクトのある見出しを
さて、本書ではいくつかのアルファベットのメソッドが出てきます。
ここででてきたBTRNUTSSというのもおそらく神田昌典氏オリジナル。
逆に言うと、何かの法則やメソッドを見つけたら、それにしっかりとネーミングをすることで広がりやすくなり、またセミナーなどをしやすくなるように思います。
このBTRNUTSSの内容については、
Benefit(有益性)
Trust(信頼性)
Rush(緊急性)
Number(数字)
Unique(独自性)
Trendy(話題性)
Surprise(意外性)
Story(物語性)
の8つ。
これらすべてが入らなくともいいのですが、インパクトが弱い時に、このいずれかを足すことで圧倒的にインパクトが増すこともあるようです。何もない手探りから考えると、かなりの指標になりそうです。
PASONAの深化系のPASBECONA
さらに本書ではLPなどでもつかえるセールスライティングのテンプレとしてPASBECONAを紹介しています。
Problem(問題)
Affinity(親近)
Solution(解決)
Benefit(利得)
Evidence(証拠)
Contents(内容)
Offer(提案)
Narrow(適合)
Action(行動)
これを実際に自社で使ったLPをもとに解説しているのでとても分かりやすい。
それ以外にも、様々な広告の反応率やABテストの結果の生データが出ていてとても興味深い。
全体を通して初心者でも、そこそこ学んだ人でも関心を持って読める(使える)一冊ではないかと思います。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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